「AIの資格、そろそろ何か持っておいたほうがいいのかな」
——そう思って検索した結果、やたら種類が出てきて余計に決められなくなった。生成AIパスポート、G検定、生成AIアドバイザー、AI活用アドバイザー……名前は似ているのに主催団体も価格も違う。比較記事を読んでも、どれも「おすすめ!」しか書いていない。
その状態でこの記事にたどり着いた方に向けて、5つの資格を同じ物差しで並べます。しかも、当サイトから申し込めない資格も含めてです。そうしないと比較の意味がありません。
こんにちは、現役ITエンジニアのごんちゃんです。業界歴10年(バックエンド開発とQA、どちらもリーダー経験あり)、基本情報技術者試験の合格者です。未経験メンバーの育成も長くやってきたので、「どの順番で学ぶと挫折しないか」はよく見てきました。
最初に結論を言うと、「AIの資格」はひとくくりにできません。使う側・入れる側・作る側で、まるで別物です。ここを分けないと選べません。
結論:5つの早見表
| 資格 | 主催 | 受験料(一般) | 問題数・時間 | 合格率 | 向く方向 |
|---|---|---|---|---|---|
| 生成AIパスポート | GUGA(民間) | 11,000円 | 60問・60分 | 79.9%(公表) | 生成AIを使う+リスク回避 |
| 生成AIアドバイザー2級 | 全日本情報学習振興協会(民間) | 8,800円 | 50問・60分 | 非公表 | 生成AIを使いこなす |
| 生成AIアドバイザー1級 | 同 | 11,000円 | 100問・120分 | 非公表 | 同(より広く) |
| AI活用アドバイザー | 同(民間) | 11,000円 | 100問・105分 | 非公表 | AIを組織に入れる |
| G検定 | JDLA(民間) | 13,200円 | 145問程度・100〜120分 | 非公表 | AIの技術側を理解する |
| ITパスポート | IPA(国家試験) | ― | ― | ― | IT全般の土台 |
※価格・仕様は2026年7月時点の調査によるものです。変動する場合があるので、申込時は各公式ページでご確認ください。
※ITパスポートの料金・仕様は専用記事側で扱っています。
⚠️【重要】ITパスポート・基本情報を受ける予定の方へ
ITパスポート・基本情報技術者試験などは、試験システムの入れ替えのため2027年1月以降に一時休止される予定です。受験できるのは概ね2026年内まで(会場により時期は前後します)。2027年1月以降の実施時期は2026年秋にIPAが発表予定です。詳しくは試験休止まとめへ。
※この記事で扱う民間4資格は、この休止の影響を受けません。
そもそも「AIの資格」は3種類に分かれる
比較の前に、ここを整理しないと選べません。
- 使う側:生成AIを業務で使い、リスクを避けながら成果を出す(生成AIパスポート/生成AIアドバイザー)
- 入れる側:AIを組織に導入し、プロジェクトを回す(AI活用アドバイザー)
- 作る側:機械学習・ディープラーニングの仕組みを理解する(G検定)
エンジニア視点で言うと、世の中の求人と会話でいちばん需要があるのは「入れる側」です。使える人は増えましたが、「入れていい/いけないを判断できる人」がまだ足りていません。ただし、いきなり2から入ると土台がないので苦しい。だから1で足場を作ってから2へが現実的な順路です。
以下、1つずつ同じ形式で見ていきます。
① 生成AIパスポート(GUGA)
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 主催 | 生成AI活用普及協会(GUGA)・民間資格 |
| 受験料 | 一般 11,000円 / 学生 5,500円(税込) |
| 問題数・時間 | 60問・60分 |
| 受験方式 | オンライン(IBT方式) |
| 実施回数 | 年5回(2月・4月・6月・8月・10月) |
| 合格率 | 79.9%(2026年6月試験) |
| 実績 | 累計受験者11万名突破 |
👤 こんな人におすすめ
実績のある資格から入りたい人。対策教材の選択肢が多いほうが安心な人。非IT職で、まず「生成AIを安全に使える」ラインに立ちたい人。
② 生成AIアドバイザー 1級・2級(全日本情報学習振興協会)
| 項目 | 2級 | 1級 |
|---|---|---|
| 受験料(一般) | 8,800円 | 11,000円 |
| 受験料(学生) | 7,040円 | 8,800円 |
| 問題数・時間 | 50問・60分 | 100問・120分 |
| 合格基準 | 正答率70%以上 | 正答率70%以上 |
| 受験資格 | どちらの級からでも受験可 | 同左 |
| 実施 | 約3か月間隔(第3回=令和8年8月30日ほか) | 同左 |
追加費用:公開会場0円 / CBT +1,500円 / オンラインIBT +3,000円
👤 こんな人におすすめ
費用を抑えて試したい人。生成AIを「自分の手で」使いこなす方向に伸ばしたい人。詳しくは生成AIアドバイザーの記事で解説しています。
③ AI活用アドバイザー(全日本情報学習振興協会)
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 受験料 | 一般 11,000円 / 学生 8,800円(税込) |
| 問題数 | 100問(2択48問・4択52問) |
| 配点 | 152点満点(2択1点・4択2点) |
| 合格基準 | 107点(70%)以上 ※難易度により調整の場合あり |
| 試験時間 | 105分 |
| 実施回数 | 年3回(第14回=令和8年10月18日ほか) |
| 合格率 | 非公表 |
👤 こんな人におすすめ
AI導入を企画・推進する立場を目指す人。配点が公開されていて対策計画を立てやすいほうがいい人。詳しくはAI活用アドバイザーの記事へ。
④ G検定(日本ディープラーニング協会)
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 主催 | 日本ディープラーニング協会(JDLA)・民間資格 |
| 受験料 | 一般 13,200円 / 学生 5,500円(税込) |
| 問題数・時間 | 145問程度・オンライン100分 / 会場120分 |
| 出題形式 | 知識問題(多肢選択式) |
| 実施回数 | オンライン 年6回 / 会場 年3回(2026年) |
| 受験資格 | 制限なし |
| 合格率 | 公式ページに記載なし |
割引:再受験割引(半額)、AI For Everyone修了者向け30%割引
G検定については、独学で受かるか・難易度と勉強時間をまとめた記事と、「意味ない」と言われる理由を検証した記事、テキスト・問題集の選び方を個別に用意しています。
👤 こんな人におすすめ
技術側の理解まで進めたい人。学生(5,500円で受けられます)。データ分析やモデルに関わる部署の人。
⑤ ITパスポート(IPA・国家試験)
上の4つと違い、これだけが国家試験です。AI専門ではなくIT全般(経営・管理・技術)を扱い、AIはその一部として出題されます。しかも2027年度からの新制度ではAI・DX・セキュリティ倫理の比重が上がる方向で見直しが進んでいます。
👤 こんな人におすすめ
国家資格の土台が欲しい人。IT全般から固めたい人。教材はITパスポートのテキストおすすめ、AIとの関係は生成AIとITパスポートで解説しています。
迷ったらこの基準で選ぶ
判断軸を3つに絞ります。
基準1:今の自分は「使う側」か「入れる側」か
生成AIを日常業務で使っていて、それを整えたいなら使う側(生成AIパスポート/生成AIアドバイザー)。AI導入を任される立場に回りつつあるなら入れる側(AI活用アドバイザー)。ここを取り違えると、受かっても仕事で使えません。
基準2:実績の裏付けが欲しいか、価格を抑えたいか
実績なら生成AIパスポート(合格率79.9%を公表・累計11万名)。価格なら生成AIアドバイザー2級(8,800円)。対策計画の立てやすさならAI活用アドバイザー(配点公開)。この3つはトレードオフなので、自分がどれを優先するかで決まります。
基準3:国家資格が必要か
必要ならITパスポートを先に。ただし2027年1月以降の休止予定があるので、動くなら2026年内です。ここは急ぎの判断が要ります。
なおこの5つは重複が大きいので、複数取る意味は薄いです。とくに生成AIパスポートと生成AIアドバイザーは狙う層がほぼ同じなので、どちらか1つで十分です。
対策講座を使うなら
全日本情報学習振興協会の2試験(AI活用アドバイザー/生成AIアドバイザー)については、主催団体が案内している対策講座があります。主催団体の講座なので、範囲と定義のズレが起きないのが強みです。
| 講座 | 受講料(税込) |
|---|---|
| AI活用アドバイザー(講座単体) | 17,600円 |
| AI活用アドバイザー(講座+試験セット) | 25,300円(試験同時申込で3,300円割引) |
| 生成AIアドバイザー(SMART答練) | 7,500円 |
※価格は2026年7月時点の調査によるものです。変動する場合があるので、申込時は販売ページでご確認ください。
うーんなところも書きます。AI活用アドバイザーは受験料11,000円に対して講座17,600円なので、セットでも総額25,300円。公式テキストを買って自力で回せる人には高い買い物です。生成AIアドバイザーの答練7,500円は問題演習の講座であって教科書ではないので、基礎知識がない段階で買うと消化できません。
逆に「制度・政策の範囲がどこまでか自分では線を引けない」「動画で一度通しで聞きたい」という人には、時間を買う意味があります。上記2試験の講座は、どちらも同じラインナップページから選べます。
生成AIパスポート・G検定の対策講座
この2つは主催団体が対策講座を出していないので、選ぶなら外部の講座になります。調べたなかで、試験ごとにコースが分かれていて中身が確認できたのはアガルートでした。
| 講座 | 受講料(税込) | 講義時間 | 受験料との合計 |
|---|---|---|---|
| 生成AIパスポート 合格総合講義 | 10,780円 | 4.5時間 | 約21,780円 |
| G検定対策講座 | 27,280円 | 約9.5時間 | 約40,480円 |
※2026年7月時点の調査によるものです。販売期間が設定されているコースがあり、内容・価格も変動します。申込時は必ず公式ページでご確認ください。
G検定のほうには質問制度(期間中10回)と合格特典として全額返金の制度があります。ただし特典には条件がありますので、「受かれば実質無料」と思い込む前に条件を公式で確認してください。
- G検定は講座代が受験料の2倍以上:受験料13,200円に対して講座27,280円。合計4万円は、AI資格としては明確に高い出費です
- 生成AIパスポートは公式テキストで自走しやすい試験:合格率79.9%が公表されている試験なので、テキストを読み切れる人は講座なしで足りることも多いです
- どちらも「4.5時間」「9.5時間」で終わる内容:短いのは長所でもありますが、時間単価で見ると割高に感じる人はいると思います
まとめると、生成AIパスポートは独学寄り、G検定は範囲が技術側に広いぶん講座の価値が出やすい——という差です。まず無料体験(サンプル講義)で相性を見てから決めるのが安全です。
逆に言うと、この5つはどれも「講座なしで受かる人が一定数いる」レベルの試験です。講座は知識を買うものではなく、範囲の線引きと時間を買うもの。そこが不要なら、公式テキスト1冊で十分です。
よくある質問
Q生成AIパスポートと生成AIアドバイザー、どちらが良いですか?▼
狙う層がほぼ重なるので、両方取る必要はありません。実績と対策教材の豊富さなら生成AIパスポート(合格率79.9%公表・累計受験11万名)、費用を抑えたいなら生成AIアドバイザー2級(8,800円)です。
Q未経験・非エンジニアでも受かりますか?▼
G検定以外の4つは、実装やモデル構築の力を問う試験ではありません。用語・事例・リスクが中心なので、非エンジニア職でも取り組めます。G検定は技術寄りなので、他より準備量が増えます。
Q合格率が非公表の試験は避けたほうがいいですか?▼
避ける必要はありませんが、難易度の見積もりが立たないことは織り込んでおくべきです。この5つで合格率を公表しているのは生成AIパスポートだけでした。配点まで公開しているのはAI活用アドバイザーだけです。
QITパスポートは休止するのに取る意味がありますか?▼
あります。休止は一時的なもので、取得した資格が無効になるわけではありません。むしろ現行制度は対策情報が豊富なので、2026年内に受けきれるなら有利です。
Q複数取ると評価は上がりますか?▼
この5つの中では、複数取る効果は薄いと考えています。範囲の重複が大きいためです。1つ取ったら、次は資格ではなく「実際にAIを使って何をしたか」を語れるようにするほうが効きます。
まとめ:重複が大きいので、1つ選べば十分
AIの資格は名前が似ていますが、「使う側・入れる側・作る側」で別物でした。整理するとこうなります。
- 実績で選ぶなら生成AIパスポート(合格率79.9%公表・累計受験11万名。ただし合格基準は非公開)
- 価格で選ぶなら生成AIアドバイザー2級(8,800円・50問60分。ただし満点・配点が非公開)
- AI導入を推進する立場ならAI活用アドバイザー(152点満点で配点公開。ただし合格率は非公表)
- 技術側まで踏み込むならG検定(145問で最も深い。ただし一般13,200円で最も高く、準備量も多い)
- 国家資格の土台ならITパスポート(知名度は圧倒的。ただし2027年1月以降は休止予定)
5つとも範囲の重複が大きいので、複数取る意味は薄いです。目的に合う1つを選んで、あとは実務でどう使ったかを語れるようにするほうが、はるかに効きます。
資格を選ぶのに時間をかけすぎるのが、いちばんもったいないパターンです。上の3秒診断で当たりを付けて、まず1つ申し込んでしまうのをおすすめします。
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