DS検定を受けると決めて、次にやることは教材選びだと思います。検索すれば対策本もいくつか出てきます。
ただ、この試験には他の資格にはあまりない事情があります。買う前にそこだけ確かめてほしくて、この記事を書きました。
先にお断りしておくと、私はDS検定を受験しておらず、市販のテキストも読んでいません。なので「この本がおすすめ」という順位付けはしません。代わりに、協会が公表した資料をもとに、手元の候補が今の範囲に対応しているかを自分で見分ける手順を書きます。
出題範囲そのものが、途中で入れ替わりました。
2026年6月の回から範囲の骨組みが変わっています。まるごと新しく加わった領域があり、そこは古い教材に載っていません。本のタイトルや刷り年だけでは見分けられないので、確かめ方を書きます。
この試験の範囲は、別の資料で決まっています
まず仕組みの話です。DS検定の出題範囲は、試験の要項の中に固定で書かれているわけではありません。データサイエンティスト協会が別に公開している「スキルチェックリスト」という資料が土台になっています。
これは本来、データサイエンティストに必要な力を段階ごとに整理したもので、試験のためだけに作られた資料ではありません。DS検定は、そのうち見習いレベルにあたる部分を出題範囲として借りている、という構造です。
ここが重要で、土台の資料が改訂されると、試験範囲もそれに合わせて動きます。試験そのものの案内が変わらなくても、中身が変わることがあるわけです。
仕様書が別ファイルになっていて、そっちだけ更新されている感じです。仕事でもよくある話で、けっこう事故ります。
2026年6月の回から、範囲の骨組みが変わりました
協会は、第13回(2026年6月実施)の試験範囲について、こう発表しています。
「2025年に改訂したスキルチェックリストver.6に基づき」変更
「従来のビジネス力を問う問題の多くは基盤スキルの問題に移行します」
「価値創造スキルを問う問題が新規に加わります」
(出典:データサイエンティスト協会「第13回(2026年6月実施)データサイエンティスト検定★の試験範囲について」)
3行ですが、中身は小さくありません。整理するとこうなります。
| 動いたもの | どう変わったか | 古い教材だと |
|---|---|---|
| 価値創造 | 新しく加わった | まるごと載っていない |
| ビジネス力 | 多くが基盤スキルへ移った | 章立てが今の区分と合わない |
いま公表されている出題範囲は、基盤・データサイエンス・データエンジニアリング・価値創造の4つです。このうち価値創造が新顔で、第12回までの範囲で作られた教材には入っていないことになります。
「改訂版」「最新版」と書いてあっても、それがどの範囲に合わせた最新版なのかは別の話です。出版年ではなく、4つの領域が本の目次に揃っているかで見てください。
手元の候補が対応しているか、こう確かめます
書店でもネット書店でも、目次は見られます。順番にやることは3つだけです。
いちばん速い判定です。無ければ、少なくともその領域は自分で埋める必要があります。
古い区分のままなら、第12回以前の範囲で作られた可能性が高いです。
はっきり書いてある本は信頼できます。書いていない場合は、目次で判断するしかありません。
同じ落とし穴は他の試験にもあります。生成AIパスポートでも、古いシラバスのまま売られている問題集の話を生成AIパスポートの過去問に書きました。範囲が動く試験は、教材の鮮度がそのまま合否に効いてきます。
数学がどこまで出るのかは、範囲表からは読み取れません
教材選びで気になるのが数学だと思うので、ここも触れておきます。公表されている範囲には、こういう項目が並んでいます。
- 数学的理解:線形代数基礎 / 微分・積分基礎 / 集合論基礎
- 科学的解析の基礎:統計数理基礎 / 仮説検証 / 推定・検定 / 因果推論
字面はなかなか強いです。ただ、どの水準まで問われるのかは公表されていません。計算問題が出るかどうかも書かれていません。想定レベルは「アシスタント・データサイエンティスト(見習いレベル)」とされているので、専門家向けの深さではないはずですが、そこは推測になります。
なので教材を見るときは、数学の章がどのくらいのページ数で、どんな見せ方をしているかを確認するのが現実的です。用語の意味だけで終わっているのか、式が並んでいるのか。そこは自分の得意不得意と相談する部分になります。
うーんなところ:合格基準が出ていないので、仕上がりが測れない
正直に書くと、この試験は合格基準も合格率も公表されていません。何点取れば受かるのかが分からないので、「模試で8割だから大丈夫」といった目安が立てられません。
範囲が改訂された直後というのも、教材の選択肢が少なくなる方向に働きます。新しい範囲に完全対応した教材が出揃うまでには時間がかかるので、しばらくは「足りない領域を自分で補う」前提で組むことになります。
裏を返すと、範囲をひととおり見ておくしか作戦がない試験です。ヤマを張る余地がないぶん、やることは単純ではあります。
教材の前に、日程だけ確認しておいてください
最後に順番の話です。この試験は受けられる時期が決まっていて、申し込みの受付も期間限定です。教材を吟味しているうちに受付が閉じる、というのがいちばんもったいない終わり方になります。
次の回の日程と、受付がいつ開いていつ閉じるかはDS検定は次いつ受けられる?にまとめました。受験料や試験の形もそちらです。先に日付を押さえてから教材を決めるほうが、結果的に早く終わります。
27,280円(税込)・約7.5時間。合格特典(全額返金)もあります(適用条件は公式ページでご確認ください)。ただしこの記事で書いたことは講座にもそのまま当てはまります。2026年9月時点でも講座名は「スキルチェックリストver.5対応版」のままで、ver.6への対応は明記されていません。価値創造は新しく加わった領域なので、申し込む前に、対応している版が更新されていないかを必ず公式ページで確認してください。
アガルート DS検定 対策講座の詳細を見る(公式)※出題範囲・受験料は2026年8月時点の協会公式ページおよび協会の発表の記載です。変更される場合があるので、申し込み前に必ず公式ページでご確認ください。当サイトはアフィリエイトプログラムを利用しており、リンクから申し込みがあった場合に紹介料を受け取ることがあります。
よくある質問
QDS検定の出題範囲はいつ変わったのですか?▼
協会の発表によると、第13回(2026年6月実施)から、2025年に改訂されたスキルチェックリストver.6に基づく範囲に変わりました。従来のビジネス力を問う問題の多くが基盤スキルへ移り、価値創造スキルを問う問題が新しく加わっています。現在の出題範囲は基盤、データサイエンス、データエンジニアリング、価値創造の4領域です。
Q古いテキストでも勉強できますか?▼
共通している部分は使えますが、価値創造は新しく加わった領域なので、それ以前の範囲で作られた教材には載っていないと考えたほうが安全です。出版年や「改訂版」という表記だけでは判断できないので、目次に4つの領域が揃っているか、章立てが古い区分のままになっていないかを確認してください。
Q数学はどこまで必要ですか?▼
出題範囲には線形代数基礎、微分・積分基礎、集合論基礎、統計数理基礎、仮説検証、推定・検定、因果推論といった項目が並んでいます。ただし、どの水準まで問われるかは公表されておらず、計算問題が出るかどうかも明記されていません。想定レベルはアシスタント・データサイエンティスト(見習いレベル)とされているので、専門家向けの深さではありません。
Q何点取れば合格ですか?▼
合格基準は公表されていません。合格率も同様です。目標点を決めた勉強がしにくいので、範囲をひととおり見ておく進め方になります。試験は選択式で100問を100分、受験資格はなし、受験料は一般10,000円、学生5,000円、大学会員学生4,000円(いずれも協会の表示は税抜)と公表されています。
まとめ
教材選びで失敗しやすいのは、内容の善し悪しではなく前提がずれているときです。良い本でも、対応している範囲が古ければ穴が残ります。目次を1分見るだけで防げるので、そこだけは省かないでください。
他のAI系資格と迷っている方はAIの資格はどれを取るべき?で並べています。日程から決めたい方はDS検定は次いつ受けられる?をどうぞ。
