基本情報でプログラミングに苦労した人は、その上の試験と聞くと身構えますよね。
結論からいうと、文系でも受かります。プログラムを書かせる試験ではありません。ただしつまずくのは計算ではなく、科目Bの記述式のほうです。
この記事では、何が問われるのか、文系がつまずく場所、どこから手をつけるかを紹介します。
計算で落ちる試験ではありません。止まるのは、書く側です。
プログラムを書かせる試験ではありません
基本情報で科目Bのアルゴリズムに苦しんだ人は、その上の試験に同じものがあると思いがちです。応用情報はそこが違います。
| 科目A | 科目B | |
|---|---|---|
| 試験時間 | 150分 | 150分 |
| 出題数 | 80問(全問解答) | 11問から5問を選んで解答 |
| 出題形式 | 多肢選択式(四肢択一) | 記述式 |
| 基準点 | 100点満点で60点 | 100点満点で60点 |
注目したいのは科目Bの「11問から5問を選んで解答」という部分です。全部に答える必要がありません。
つまりプログラミング寄りの問題は選ばなくて済みます。基本情報の科目Bはアルゴリズムが必須でしたが、応用情報は選択制です。ここが文系にとっていちばん大きい違いになります。
基本情報との難易度の比較は応用情報は難しい?にまとめました。
計算では落ちません
数学が苦手だから無理ではないか、という心配がよく出ます。
科目Aは四肢択一が80問です。計算が必要な問題も出ますが、点の大半は知識を問う問題です。分からない問題でも4分の1は当たるので、計算を全部捨てても6割に届く余地があります。
科目Bも、計算させる分野を選ばなければ避けられます。11問のうち5問を選ぶので、得意な分野に寄せられます。
数学が理由でIT系を避けている場合は、数学が苦手でもITパスポートは受かる?も参考になります。
本当につまずくのは記述式です
計算も選択肢も乗り越えたあとに、最後に残るのがここです。文系が本当に止まるのは科目Bです。
科目Bは記述式なので、選択肢から選ぶのではなく、自分で文章を書きます。知識があっても書けるとは限らないのが、この形式の難しさです。
私は普段、QAエンジニアとして働きながら、未経験のメンバーを見てきました。その経験から言うと、記述で止まる人には共通した形があります。
分かっているのに、何を書けば点になるのか分からないという状態です。問われているのは説明なのか理由なのか対策なのかが読み取れず、知っていることを並べて終わってしまいます。
たとえば「この構成の問題点を述べよ」と聞かれたときに、構成の説明を書いてしまう。知識は足りているのに、答えになっていません。
だから対策は、知識を増やすことより問われ方のパターンに慣れることになります。過去問で同じ形の設問を繰り返し見ると、何を書けばいいかが決まってきます。
具体的な書き方は応用情報の記述式(科目B)対策に整理しました。
苦手な科目を捨てられません
文系にとって、この試験でもうひとつ効いてくるのが合格基準の仕組みです。
科目Aと科目Bのそれぞれに基準点60点があります。合計点ではないので、科目Aを満点近くまで仕上げても、科目Bが59点なら不合格です。
つまり記述式が苦手だから選択式で補う、という逃げ方ができません。文系にとっては、ここがいちばん厳しい仕様になります。
基準点の詳しい読み方は応用情報は何割で合格?に書きました。
文系に向いている分野があります
科目Bが選択制だということは、戦い方を選べるということです。文系・非エンジニアにとって、ここは有利に働きます。
応用情報の科目Aは、技術だけでなくマネジメントや経営戦略まで範囲に入ります。システムを作る側の知識だけを問う試験ではありません。
この性格は科目Bにも出ます。プロジェクトの進め方や、業務の流れを整理する問題も選べる形になっています。技術の深い知識より、文章を読んで筋道を立てる力が効く分野です。
私は普段、QAエンジニアとして働いています。その経験から言うと、こうした分野で点を取れるのは必ずしも技術者ではありません。業務を説明したり、関係者と調整したりする仕事をしている人のほうが、問われていることを素直に読めます。
つまり文系の経験がそのまま使える分野があるということです。事務や企画の仕事で、手順を整理したり、問題点を文書にまとめたりしている人は、その作業がそのまま科目Bの答案に近い形になります。
科目Aで何が問われるかは応用情報の科目A対策に整理しています。
どこから手をつけるか
順番を決めないまま始めると、科目Bが最後に残ります。それが落ちる形です。
- 科目Aの用語を先に入れる:科目Bの問題文を読むための土台になります
- 科目Bの過去問を早めに1回見る:解けなくてよく、形式を知るためです
- 選ぶ分野を2〜3つに決める:11問から5問なので、得意を先に決めておきます
- 科目Aは後半に詰める:四肢択一なので直前でも伸びます
いちばん大事なのは3つめです。本番で11問すべてを読んでから選ぶと、それだけで時間を使います。あらかじめ選ぶ分野を決めておけば、読む量が減ります。
注意点として、選ぶ分野は2〜3つに絞らず、少し多めに用意しておくほうが安全です。本番でその分野が難しかった場合に、代わりが必要になります。
週単位の進め方は応用情報の独学スケジュール、科目Aの攻略は応用情報の科目A対策にあります。
日程から逆算すると、やることが決まります
文系・未経験の場合、何から手をつけるかより「いつまでに何を」のほうが効きます。令和8年度の日程で見てみます。
| 申込受付 | 科目A試験 | 科目B試験 | |
|---|---|---|---|
| 前期 | 2026年10月6日(火)10時〜11月7日(土)17時 | 2026年10月28日(水)〜11月10日(火) | 2026年11月24日(火)〜12月6日(日) |
| 後期 | 2027年1月27日(水)〜2月16日(火) | 2027年2月6日(土)〜2月19日(金) | 2027年3月3日(水)〜3月15日(月) |
文系・未経験から始めるなら、前期は時間が足りないことが多いです。申込の締切が2026年11月7日で、科目A試験は11月10日まで。いまから始めて1か月で科目Aを仕上げるのは、用語の量を考えると厳しい計算になります。
現実的なのは後期を狙って半年かける形です。後期の科目A試験は2027年2月6日からなので、いまから数えると4か月あります。科目B試験はさらに約2週間後なので、記述の練習にも時間を回せます。
科目Aと科目Bのあいだが約2週間空くのも、文系には追い風です。科目Aを受けたあとに記述の練習だけに集中できる期間ができます。以前の一斉試験では同じ日に両方受けていたので、この使い方はできませんでした。
注意点として、応用情報は休止の対象外です。期限に追われずに後期を狙えるのは、2026年に限って言えば有利な点になります。
基本情報を飛ばしてもいいか
文系・未経験の人がよく迷うところです。2026年は事情が変わっています。
受験の順番に決まりはありません。どちらも受験資格に制限がないので、応用情報から受けられます。
そのうえで2026年に限った事情があります。基本情報は2026年12月28日以降に一時休止の予定で、応用情報は休止の対象外です。
つまり基本情報を経由する計画は、年内に基本情報を受ける必要があります。文系・未経験からだと準備に時間がかかるので、間に合わないなら応用情報に直接進むほうが現実的です。
ただし飛ばすと、科目Aで問われる技術の用語をゼロから覚えることになります。基本情報の範囲が土台になっているので、そのぶん量は増えます。時間があるなら経由したほうが楽です。
休止の全体像はITパスポート・基本情報の休止はいつ?にまとめました。基本情報からの期間の目安は基本情報から応用情報まで、どれくらいで届く?にあります。
よくある質問
Q応用情報技術者試験は文系でも受かりますか?▼
受かります。受験資格に制限はなく、プログラムを書かせる試験でもありません。科目Aは四肢択一が80問、科目Bは11問から5問を選んで記述する形です。ただし記述式があるぶん、文章にする練習は必要になります。
Qプログラミングはできないと無理ですか?▼
必須ではありません。科目Bは11問から5問を選べるので、プログラミング寄りの問題を避けることができます。ただし科目Aでは技術の知識も問われるので、用語を読める状態にはしておく必要があります。
Q基本情報を飛ばして応用情報を受けてもいいですか?▼
受けられます。どちらも受験資格に制限がないので順番は自由です。なお基本情報は2026年12月28日以降に一時休止の予定で、応用情報は休止の対象外です。年内に基本情報を受ける時間がないなら、応用情報に直接進む形も現実的です。
Q文系がいちばん苦労するのはどこですか?▼
科目Bの記述式です。知識があっても、言葉にして書けるとは限りません。しかも科目Aと科目Bのそれぞれに基準点60点があるので、記述式が苦手だからといって科目Aで補うことができません。
まとめ
- 文系でも受かります。プログラムを書かせる試験ではありません
- 科目Bは11問から5問を選べるので、苦手な分野を避けられます
- つまずくのは記述式で言葉にするところです
- 科目ごとに基準点60点があるので、苦手な科目を捨てられません
記述式の書き方は応用情報の記述式(科目B)対策へ。合格に必要な点は応用情報は何割で合格?、教材は応用情報の参考書おすすめ4選にまとめました。
