合格基準も合格率も、公式は公開していません。
「何割で受かる」と断言している情報は、根拠を確かめてから信じてください。数字から逆算できない試験を、どう独学するかを整理します。
「AIの資格、そろそろ何か持っておきたい。G検定が有名らしいけど……独学で受かるものなの?」
そう思って検索したものの、出てくるのは「合格率◯%」「勉強時間は◯時間」といった数字ばかり。しかも記事によって書いてあることが違う。結局、自分が独学で行けるのかどうかは分からないまま——。
その迷いに、この記事で決着をつけます。
こんにちは、現役ITエンジニアのごんちゃんです。業界歴10年、バックエンド開発を4年、その後QA(品質保証)を6年、どちらもリーダーを経験しました。
そしていまの私の主な仕事は、QAエンジニアとして働きながら、AIを業務に取り入れて効率化を進めることです。毎日AIを触って、「どこまで任せられて、どこからは任せてはいけないか」を実務で判断しています。
先に正直に言っておきます。私はG検定の合格者ではありません。だからこの記事では「私はこう勉強して受かりました」という話は書きません。
その代わり、他のG検定解説では読めないことを書きます。AIを実際に業務で使っている側から見て、G検定の範囲のどこが現場で効いて、どこが試験のためだけになりやすいか。学習時間をどこに寄せるべきかの判断材料です。
資格の勉強って「全部やらなきゃ」と思った瞬間に重くなるんですよね。効く場所から手をつけましょう。
G検定はどんな試験?まず全体像から
日本ディープラーニング協会(JDLA)が実施する、AI・ディープラーニングの知識を問う検定です。公式ページで確認できた内容だけを表にまとめます。
| 実施団体 | 日本ディープラーニング協会(JDLA)/民間資格 |
| 受験料 | 一般 13,200円 / 学生 5,500円(税込) |
| 出題数 | 145問程度 |
| 試験時間 | オンライン 100分 / 会場 120分 |
| 出題形式 | 多肢選択式の知識問題 |
| 実施方式 | オンライン(自宅受験)/ 会場(オンサイト受験) |
| 受験資格 | 制限なし |
| 合格基準 | 公式ページに記載なし |
| 合格率 | 公式ページに記載なし |
※2026年8月時点の調査によるものです。変動する場合があるので、申し込み時は必ず公式ページでご確認ください。
ここで先に、ひとつ大事なことを言っておきます。
合格基準も合格率も、公式には公開されていません。
ネット上には「◯割取れば合格」「合格率は◯%」という情報がたくさんありますが、私が公式ページを確認した限り、そのどちらの記載も見つけられませんでした。数字を出している記事がすべて間違いだとは言いませんが、公式が出していない数字を前提に勉強計画を立てるのは危うい、というのが正直なところです。
だからこの記事では、合格ラインからの逆算ではなく「範囲をどう削るか」で話を進めます。
2026年の試験日程——申し込みは「逆算」で決める
G検定は通年でいつでも受けられる試験ではなく、年に数回の実施日が決まっています。2026年の後半に残っているのは次の回です。
| 回 | 実施日 |
|---|---|
| G2026#5 | 2026年9月5日(土) |
| G2026#6 | 2026年11月6日(金)・11月7日(土) |
※2026年8月時点の調査です。申し込み期限は実施日より前に締め切られるので、必ず公式ページで最新の日程と締切をご確認ください(2026年の日程と申し込み手順はこちら)。
ここが独学の可否に直結します。「いつか受けよう」と思っている間に日程は過ぎていくので、まず受ける回を決めて、そこから逆算する。これが独学でいちばん効く工夫です。
なお、G検定はIPAの国家試験ではないため、2027年に予定されているITパスポート・基本情報などの一時休止とは無関係です。むしろ「IPA試験が休止している間に何を勉強するか」の選択肢になります(→ 試験休止まとめ)。
難易度の正体は「数学」ではなく「用語の量」
「AIの資格=理系じゃないと無理」というイメージがあると思います。でも試験の構造を見ると、その心配は少し的外れです。
出題は多肢選択式の知識問題。つまり、紙の上で微分積分を解かせるタイプの試験ではありません。
では何がきついのか。用語と手法名の物量です。
145問程度をオンラインなら100分で解くので、1問あたり40〜50秒。考え込んで導き出す時間はなく、「知っているか、知らないか」で処理していく試験だと分かります。
これは裏を返すと、数学が苦手でも、用語の地図さえ作れば戦えるということでもあります。文系の方がまず身構えるべきは数式ではなく、覚える範囲の広さのほうです。
現場でも、伸び悩む人には共通点があります。知らない単語が出た瞬間に、読むのをやめてしまうんです。G検定の勉強は、この癖を直す作業とほぼ同じ。頭の良さの試験ではなく、用語の地図を作る根気の試験です。
AIを業務で使っている側から見た「効く範囲」と「試験のためだけの範囲」
ここがこの記事でいちばん書きたかったところです。
私はAIを業務効率化に使う仕事をしています。その立場から見ると、G検定の範囲には現場でそのまま効く部分と、正直、試験のためだけになりやすい部分がはっきり分かれています。学習時間は前者に寄せたほうがいいです。
実務でそのまま効く範囲
① AIの限界と適性を見極める語彙
実務でAIを入れるとき、最初に必要になるのは高度な理論ではありません。「この作業は任せられる/これは任せてはいけない」を判断する力です。
判断を誤ると、後工程で全部やり直しになります。この見極めの語彙はG検定の範囲と重なっていて、学ぶ価値がはっきりあります。
② 出力を検証するという発想
これは私がQA(品質保証)出身だから強く感じることかもしれません。AIを業務で使うとき、いちばん時間を使うのは「生成させる」ことではなく「出てきたものを確かめる」ことです。
もっともらしいけれど間違っている出力を、どう見つけるか。どこまで人が確認すれば実務で使えるのか。AIの仕組みをざっくり知っていると、この検証の勘所が効きます。「なぜ間違えるのか」の当たりがつくからです。
③ 法律・倫理・情報の取り扱い
そして、実際に現場でAI導入が止まる原因の多くはここです。技術ではなく、社内規程や情報の取り扱いルールで引っかかる。
勉強していると後回しにしたくなる地味な領域ですが、業務でAIを使う人にとっては、いちばん実践的な範囲だと私は思っています。
試験のためだけになりやすい範囲
一方で、手法名やアルゴリズムの細かい暗記は、使う側の実務では出番が少ないのが正直なところです。使う立場で必要なのは「名前」より「何ができて、何が苦手か」なので。
もちろん試験には出るので捨てろとは言いません。ただ、ここに時間をかけすぎて力尽きるのはもったいない、という配分の話です。
「全部を均等に覚える」が、いちばん挫折します。効く範囲を厚く、残りは軽く。それでいいと思います。
※ここで書いたのは、あくまで「AIを活用する立場」から見た仕分けです。私はAIの研究者やモデル開発者ではないので、研究開発の現場ではまた別の景色が見えるはずです。
独学で足りる人・足りない人
ここまでを踏まえて、分岐点をはっきりさせます。
- 知らない用語が出てきたとき、自分で調べて理解するまで戻れる
- 公式のシラバス(出題範囲)を見て、自分で範囲を区切れる
- 受ける回を自分で決めて、そこから逆算して進められる
- オンライン受験の環境(通信・場所)を自分で整えられる
- 用語の海に入ると「どこまでやれば終わりなのか」が決められない
- 試験日が決まっていて、ペースを他人に作ってほしい
- 一度申し込んだ(あるいは教材を買った)まま、手が止まった経験がある
この分岐は、能力の差ではなく性格と状況の差です。私は独学寄りの人間ですが、期限があって落ちられない場面では素直にお金で時間を買うほうが速い、とも思っています。
独学で進めるなら、この3ステップ
いきなり問題集から入らない。地図がないまま歩くから、用語の海で迷子になります
多肢選択式は「なんとなく見たことがある」レベルだと、似た選択肢で引っかかります
技術寄りの人ほど後回しにしがち。ここを最後に回して時間切れ、が典型的な失敗です
勉強時間の目安については、公式が示している数字はありません。個人差が大きく、前提知識によって何倍も変わります。この記事で「◯時間で受かります」と書くつもりはありません。受ける回を決めて、そこから逆算して毎日の分量を割り出す——これがいちばん現実的です。
講座を使うなら——アガルートのG検定対策講座
「範囲の線引きが自分でできない」「試験日が決まっていて逆算のペースを作ってほしい」という人には、対策講座が選択肢になります。
調べたなかで、G検定の対策講座として中身を確認できたのはアガルートでした。私は受講していないので、以下は公開情報と講座構成からの分析です。
| 講座名 | G検定対策講座 |
| 受講料 | 27,280円(税込) |
| 講義時間 | 約9.5時間 |
| 質問制度 | 期間中 10回 |
| 合格特典 | 全額返金(※条件あり) |
| 無料体験 | サンプル講義あり(0円) |
※2026年8月時点の調査によるものです。内容・価格・特典の条件は変わる場合があるので、申し込み前に必ず公式ページでご確認ください。
- 範囲が約9.5時間に絞られている:独学でいちばんきついのが「どこまでやれば終わりか」の判断。そこを他人に決めてもらえるのは、時間を買うという意味で合理的です
- 質問制度が10回ある:用語で詰まったときに聞ける相手がいるのは、独学との決定的な差です
- 無料体験で先に相性を見られる:サンプル講義があるので、2万円台を払う前に講義との相性を確認できます
- 受験料の2倍以上:受験料13,200円に対して講座27,280円。合計すると4万円を超えます。AI資格への投資としては、明確に高い部類です
- 合格特典は条件つき:全額返金の制度はありますが、条件があります。「受かれば実質タダ」と思い込んで申し込むと、条件を外したときに落差が大きい。申し込み前に必ず条件を自分で読んでください
- 自分で調べ切れる人には過剰:用語を自力で潰せるタイプなら、この費用は必要ありません
講座の価値は「知識」ではなく「範囲の線引きと締切」を買うことにあります。逆に言えば、その2つを自分で作れる人には要らない。自分がどちらかを見極めてから決めてください。
※価格・特典・販売期間は2026年8月時点の調査によるものです。変動する場合があるので、申し込み前に必ず公式ページでご確認ください。当サイトはアフィリエイトプログラムを利用しており、リンクから申し込みがあった場合に紹介料を受け取ることがあります。
よくある質問
QG検定の合格率はどれくらいですか?▼
公式ページには合格率の記載がありません(2026年8月時点の調査)。ネット上には数字が出回っていますが、公式が公表していない以上、この記事では断定しません。合格率から難易度を判断するより、出題形式(多肢選択式の知識問題)と範囲の広さから判断するほうが確実です。
Q何割取れば合格ですか?▼
合格基準も公式には公開されていません。そのため「◯割で合格」という前提で仕上げの計画を立てるのはおすすめしません。基準からの逆算ではなく、範囲をひととおり押さえる進め方が安全です。
Q文系・非エンジニアでも受かりますか?▼
受験資格は制限なしで、出題は多肢選択式の知識問題です。手計算で数式を解かせる試験ではないので、文系だから不可能ということはありません。壁になるのは数学よりも用語の量なので、そこに時間を配分できるかどうかが分かれ目です。
Q生成AIパスポートとどちらを先に取るべきですか?▼
生成AIを使うことが目的なら生成AIパスポート、技術側の仕組みまで理解したいならG検定、という分け方が現実的です。受験料もG検定のほうが高くなります。5つのAI資格を並べて比較した記事と、生成AIパスポートの解説も参考にしてください。
Qオンラインと会場、どちらで受けるのがいいですか?▼
試験時間がオンライン100分・会場120分と異なります。時間に余裕がほしい人は会場、移動せず自宅で受けたい人はオンライン、という選び方になります。オンラインを選ぶ場合は、通信環境と受験する部屋を事前に整えておいてください。
比較記事はAIの資格5つを比較した記事、生成AIパスポートについては生成AIパスポートの解説をご覧ください。
まとめ
まとめ
- G検定は受験資格が制限なしで、出題は多肢選択式の知識問題。数学の試験ではありません
- 合格基準も合格率も公式には非公開。数字からの逆算ではなく、範囲の押さえ方で計画を立てましょう
- 独学の分岐点は「知らない用語を自分で調べ切れるか」。できるなら独学で十分、できないなら講座で範囲と締切を買う
- AIを業務で使う視点では、限界の見極め・出力の検証・法律と倫理が実務にそのまま効きます。ここを厚く
- 次の試験は2026年9月5日(土)、その次が11月6日(金)・7日(土)。まず受ける回を決めるところから
AI資格は種類が増えて分かりにくくなっています。「そもそもどれを取るべきか」から迷っている方は、AIの資格5つを比較した記事で全体像をつかんでから戻ってきてください。
IPAの試験が休止する期間に何を勉強するか考えている方は、試験休止まとめも合わせてどうぞ。
