基本情報技術者試験の参考書コーナーって、ITパスポートよりさらにカオスなんですよね。「科目A対応」「科目B特化」「テキスト&問題集」……種類が多いうえに、どれを何冊買えばいいのかすら分かりにくい。
こんにちは、現役ITエンジニアのごんちゃんです。私はこの試験の合格者で、業界歴は10年(開発とQA、どちらもリーダー経験あり)。後輩の受験サポートもしてきました。
先に、この記事の一番大事な結論を言います。基本情報は「科目A用」と「科目B用」で本を分けて考えるのが正解です。この前提を知らずに1冊だけ買って挫折する人が、本当に多い。この記事では、その理由と、タイプ別のおすすめ6冊を紹介します。
【受験予定の方へ・重要】基本情報技術者試験は、システム入れ替えのため一時休止が予定されています(システム移行の延期により、休止は2027年1月以降の見込み。2026年内は受験可能です)。年内合格を目指す方は、試験日の確保を先に済ませましょう。

結論:タイプ別おすすめ早見表
| 書名 | 役割 | こんな人向け |
|---|---|---|
| かやのき先生の基本情報技術者教室 令和08年(技術評論社) | 科目A+全体 | 迷ったらこれ。講義スタイルの定番 |
| キタミ式イラストIT塾 基本情報技術者 令和08年(技術評論社) | 科目A+全体 | 完全初心者・活字が苦手な人 |
| いちばんやさしい 基本情報技術者 令和8年度(SBクリエイティブ) | 科目A+全体 | 出る順で効率よく進めたい人 |
| 出るとこだけ!基本情報技術者[科目A][科目B]2026年版(翔泳社) | 全体・時短 | 試験まで時間がない人・経験者 |
| 情報処理教科書 出るとこだけ!基本情報技術者[科目B]第4版(翔泳社) | 科目B特化 | 擬似言語を「解き方」から学びたい人 |
| 基本情報技術者【科目B】アルゴリズム×擬似言語トレーニングブック[改訂新版] | 科目B特化 | アルゴリズムを問題量で克服したい人 |
基本の組み合わせは「上の3冊から1冊(科目A用)+下の2冊から1冊(科目B用)の計2冊」です。なぜ2冊必要なのか、まずそこから説明させてください。
なぜ「科目A用」と「科目B用」で分けるのか
基本情報技術者試験は、性格のまったく違う2つの試験でできています。
- 科目A:IT全般の知識問題(60問)。範囲は広いが、暗記と理解の積み上げで対応できる
- 科目B:アルゴリズム(擬似言語)中心の読解問題(20問、うち16問がアルゴリズム系)。知識ではなく「コードを読んで追いかける力」が問われる
つまり科目Aは「覚える試験」、科目Bは「慣れる試験」。勉強の仕方が根本から違うんです。オールインワン型のテキストは科目Aには十分でも、科目Bの解説はどうしても薄くなりがち。合格者としてはっきり言いますが、この試験の勝負どころは科目Bです。未経験の方ほど、科目B用の本を最初から計画に入れてください。
エンジニアの実感を添えると、擬似言語のトレース(変数の値を1行ずつ追いかける作業)は、私たちが仕事で他人のコードを読むときの頭の使い方そのものです。これは知識ではなく筋トレの世界なので、「読めば分かる」ではなく「解いた量だけ強くなる」と思ってください。
科目A・全体対策のおすすめ3冊
①かやのき先生の基本情報技術者教室 令和08年(技術評論社)
ITパスポート編でも紹介した「かやのき先生」シリーズの基本情報版。先生が語りかける講義スタイルと「〇〇とくれば××」の反復方式はそのままに、基本情報の広い範囲を出題頻度ベースで整理してくれています。迷ったらこれ、と言える安定感です。
オールインワン型の宿命で、科目B(アルゴリズム)の解説は入門レベルまで。科目Bが不安な人は特化本との2冊体制が前提です。
初受験で、まず全体像をしっかり作りたい人。ITパスポートをかやのき先生で受かった人は、同じリズムで進められるので特に相性◎。
②キタミ式イラストIT塾 基本情報技術者 令和08年(技術評論社)
ほぼ全編イラストで解説してくれる、挫折しにくさ最強のシリーズ。CPUやメモリ、ネットワークといった「実物が見えない概念」を絵で掴めるのは、基本情報の科目Aでこそ効きます。著者が元プログラマなので、技術的な説明の筋が良いのも安心です。
イラストが多いぶん分厚くて、価格も高め。すでにIT知識がある人には回りくどく感じるはず。
非IT職・完全未経験からの挑戦で、「そもそもコンピュータの仕組みからイメージできない」という人。最初の1冊の挫折リスクを最小にしたい人。
③いちばんやさしい 基本情報技術者 絶対合格の教科書+出る順問題集 令和8年度(SBクリエイティブ)
大手通販サイトのランキングでも常に上位の人気シリーズ。名前は「やさしい」ですが、実態は「出る順」に振り切った効率型で、教科書と問題集が1冊にまとまっています。丸暗記ではなく背景から説明してくれるので、やさしさと効率のバランスが良い。
効率重視の構成なので、網羅性はかやのき先生・キタミ式に一歩譲ります。シラバスの隅の用語は過去問演習で拾う前提で。
社会人で勉強時間が限られていて、頻出分野から固めたい人。
④出るとこだけ!基本情報技術者[科目A][科目B]2026年版(翔泳社)
合格に必要な内容を約460ページに凝縮した時短特化型。フルカラーで、著者の解説動画とスマホで解けるWebアプリ付き。1冊で科目AもBも触れられるので、「まず全体を一周したい」ニーズに刺さります。
絞り込み型なので、これ1冊だけで盤石とは言いにくい。特に科目Bは、不安があるなら次に紹介する特化本を足したいところです。
試験日まで1〜2ヶ月しかない人。IT系の学部出身・実務経験ありで、知識の穴だけ埋めたい人。
科目B(アルゴリズム)特化のおすすめ2冊
ここからが本番です。科目Bの20問中16問はアルゴリズム・擬似言語。ここを制する本を選びます。
⑤情報処理教科書 出るとこだけ!基本情報技術者[科目B]第4版(翔泳社)
擬似言語の文法を丁寧に説明したうえで、「トレース(値を1行ずつ追う)」による解法を軸に据えているのが最大の美点。科目Bで問われているのはまさにトレース力なので、試験の本質に真っすぐな作りです。「こう解く」コーナーで解法パターンを整理してくれるのも実戦的。
解き方の本なので、そもそもの基礎知識(科目A範囲)が空っぽの状態で読むと苦しい。科目A用テキストを一周してから入りましょう。
「擬似言語の問題文を見ると固まる」人。解き方の型から身につけたい人。
⑥基本情報技術者【科目B】アルゴリズム×擬似言語トレーニングブック[改訂新版]
書名の通り「トレーニング」に振った問題演習型。過去問・サンプル問題・オリジナル問題を量で浴びられるので、「解いた量だけ強くなる」科目Bの性質と完全に噛み合います。1問5〜10分で解き切るスピード感を作る仕上げに最適。
演習主体なので、最初の1冊には向きません。⑤や科目A用テキストで基礎を作ってからの2冊目・仕上げ用です。
解説を読めば分かるのに本番形式だと解けない人。試験直前1ヶ月の追い込みに。
私が受験したときの話と、組み合わせの結論
私自身、基本情報の合格者として振り返ると、この試験の印象は「科目Aは積み上げ、科目Bは慣れ」に尽きます。エンジニアとして働いている私でも、擬似言語の独特な記法には最初「ん?」となりました。普段コードを書かない方なら、なおさら専用の対策時間が要ります。
おすすめの組み合わせをタイプ別にまとめます。
- 完全未経験・確実に受かりたい:キタミ式(またはかやのき先生)+⑤出るとこだけ科目B の2冊
- 社会人・効率重視:いちばんやさしい+⑤出るとこだけ科目B の2冊
- IT経験あり・時間がない:④出るとこだけ[科目A][科目B]1冊+過去問演習(不安なら⑥を追加)
- 科目Bだけ落ちた・リベンジ:⑤+⑥の科目B2冊体制で徹底的に
科目Aの仕上げには、無料の「基本情報技術者試験ドットコム(過去問道場)」の併用もお忘れなく。テキストでインプット、過去問道場でアウトプット、の役割分担はITパスポートのときと同じです。
よくある質問
Q中古や古い版の参考書でもいい?▼
基本情報に関しては、特にダメです。2023年4月に試験制度が大きく変わり(旧:午前/午後 → 新:科目A/科目B)、それ以前の参考書は科目Bにまったく対応していません。「午後試験」と書いてある本は旧制度の本なので避けてください。買うなら2026年版・令和08年版一択です。
QITパスポートを飛ばして、いきなり基本情報でもいい?▼
目的次第ですが、IT業界を目指すなら「いきなり基本情報」もアリです。ITパスポートの内容は基本情報の科目Aにほぼ内包されるためです。ただし学習ボリュームは段違いなので、まず小さく成功体験を積みたい人はITパスポートからでOK。このテーマは別記事で詳しく書く予定です。
Q科目Bはテキストなしで過去問だけでいける?▼
プログラミング経験者なら、公開されているサンプル問題+過去問演習だけで足りることも多いです。未経験者には正直おすすめしません。トレースのやり方そのものを解説してくれる⑤のような本を1冊挟むほうが、結果的に近道です。
Q勉強時間はどれくらい必要?▼
一般的な目安は、IT知識がある人で50〜80時間、未経験者で200時間程度と言われます。未経験の社会人なら2〜3ヶ月の計画が現実的です。試験は2027年1月以降にいったん止まる予定なので(2026年内は受験可能)、逆算して早めに試験日を確保しましょう。
ITパスポートと迷っている人はこちら!

まとめ:2冊体制で科目Bから逃げない
基本情報の参考書選びは、「科目A用1冊+科目B用1冊」の2冊体制が基本。そして勝負どころは科目Bです。
- 迷ったら:かやのき先生+出るとこだけ[科目B]
- 活字が苦手なら:キタミ式+出るとこだけ[科目B]
- 時間がないなら:出るとこだけ[科目A][科目B]1冊集中
擬似言語は、最初は誰でも読めません。でも、トレースを繰り返すうちに「あ、これパターンだ」と見える日が必ず来ます。それは仕事でコードを読む力にも直結する、試験を超えて残るスキルです。あなたの挑戦、応援しています!
これからITパスポートを先に受ける方はこちらもどうぞ。

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