調べれば調べるほど「人による」としか書いていなくて、決められないですよね。
結論からいうと、どっちから受けるかは、あなたの目的で決まります。IT業界に就職・転職したいならいきなり基本情報でOK、非IT職でITリテラシーを証明したいならITパスポートで十分です。どちらの試験も2027年1月以降に休止が予定されているので、年内に受けるなら試験日の確保を先に済ませましょう。
この記事では、目的別の30秒診断と、それぞれの選択のメリット・落とし穴を紹介します。
こんにちは、現役ITエンジニアのごんちゃんです。業界歴10年(バックエンド開発4年・QA/SET6年、どちらもリーダー経験あり)、基本情報技術者試験の合格者です。仕事柄、未経験からITの世界に入ってきたメンバーの資格挑戦をたくさん見てきました。
『どっちが上か』じゃなくて『あなたに合うのはどっちか』で考えるとスッキリしますよ。
結論:30秒診断
あなたの目的に一番近いものを選んでください。
「自分がどれか迷う」という方は、このまま読み進めてください。判断材料を順番に並べていきます。
ITパスポートと基本情報はどっちから?判断の前に違いを知る
どちらもIPA(情報処理推進機構)が実施する国家試験で、位置づけとしては連続しています。違いを図と表にまとめました。
・ITを”使う”側の教養
・全問が知識問題
・ITを”作る”側の入門
・科目Bは擬似言語の実技系
| ITパスポート | 基本情報技術者 | |
|---|---|---|
| 試験形式 | 120分・100問 | 科目A:90分・60問/科目B:100分・20問 |
| 合格基準 | 総合600点/1000点+分野別300点 | 科目A・Bとも600点/1000点 |
| 勉強時間の目安 | 一般に100〜150時間程度と言われる(未経験の場合) | 一般に150〜200時間程度と言われる(未経験の場合) |
※試験仕様はIPA公式サイトの情報に基づきます。勉強時間はあくまで一般に言われる目安で、前提知識により大きく変わります。
ざっくり言うと、ITパスポートは「ITを使う側の教養」、基本情報は「ITを作る側の入門」。試験の性格が違うので、「基本情報のほうが偉い」というより「用途が違う」が正確です。
なお、基本情報に受験資格はありません。ITパスポートを飛ばして基本情報から受けるのは、制度上まったく問題なしです。
ITパスポートを飛ばして基本情報へ|メリットと、覚悟すべき壁
IT業界への就職・転職が目的なら、いきなり基本情報をおすすめします。理由は2つ。
①採用市場での評価がはっきり違う
現場の実感として、履歴書で「おっ」と目に留まるのは基本情報からです。ITパスポートが無意味ということではなく、「IT職の入門資格」として設計されているのが基本情報だから、という役割の話です。IT転職が目的なら、最初からそちらを狙うほうが早い。
②ITパスポートの内容は、基本情報の科目Aとかなり重なる
2つの試験は出題範囲が連続していて、ITパスポートで学ぶ内容の多くは基本情報の科目Aにそのまま含まれます。つまり順番に受けると、同じ範囲を2回勉強することになります。時間に余裕がない社会人にとって、これは無視できないコストです。
ただし、覚悟すべき壁もあります。科目B(アルゴリズム)です。
ITパスポートは全問が知識問題ですが、基本情報の科目Bは擬似言語のプログラムを読み解く「実技系」の試験。暗記の勉強法が通用しない領域で、ここで挫折する人が本当に多いんです。いきなり基本情報を選ぶなら、科目Bに正面から向き合う覚悟だけ持っておいてください(対策はこちらの記事にまとめています)。
ITパスポートから始める価値(飛ばさない選択)
一方で、「まずITパスポートから」にもちゃんとした価値があります。
①合格という成功体験と、勉強習慣が手に入る
社会人になってから初めての資格勉強は、内容より「勉強を続けること」自体が最初のハードルです。ITパスポートは適切な努力で届く試験なので、ここで「勉強すれば受かる」という実績を自分に作れます。この効果は、現場で後輩を見ていて感じる以上に大きいです。挫折して何も残らないより、1つ受かってから次に行くほうが結果的に速い人は、確実にいます。
②学んだことは基本情報で丸ごと活きる
先ほど「範囲が重なるのはコスト」と書きましたが、裏を返せばITパスポートの勉強は基本情報の科目A対策の前半戦になっているということです。ステップアップ方式は二度手間ではなく、助走です。
③非IT職なら、そもそもITパスポートで完結
営業・事務・企画などの仕事でITリテラシーを示したいだけなら、基本情報まで取る必要はありません。かけた時間に対するリターンで考えると、ITパスポート+実務のほうがずっと効率的です。
2026年ならではの判断材料:試験休止
最後に、今年に限った事情をひとつ。冒頭のとおり、両試験とも概ね2026年内を最後にいったん休止(休止は2027年1月以降)され、再開時期は未定です(2026年秋頃に発表予定)。どちらで行くか決まったら、あとは1冊選ぶだけです。ITパスポートならテキストおすすめ5選、基本情報なら参考書おすすめを参考にしてください。
これを踏まえると、判断はこうなります。
休止と2027年の新制度について詳しくは、こちらの記事で随時更新しています。
なお、「ITパスポートから始めると決めたが、独学の進め方に自信がない」場合は、最初の1回だけ講座で型を作るという選択もあります。ここで学習のリズムを作れると、次の基本情報が楽になります。
※価格・コース内容は変動します。申し込み前に必ず公式ページでご確認ください。当サイトはアフィリエイトプログラムを利用しており、リンクから申し込みがあった場合に紹介料を受け取ることがあります。
受けられなくなる前に、もうひとつの選択肢も見ておく
ITパスポートと基本情報のどちらから入るかを迷っている場合、実はもうひとつ、比較対象に入れておいたほうがいい試験があります。
ITパスポートは休止が予定されていて、2027年1月以降の実施時期はまだ発表されていません(発表は2026年秋の予定)。つまり、いま準備している人にとっては「年内に受け切れるか」がそのまま分かれ目になります。間に合いそうにないなら、休止と関係なく受けられる資格に一度目を向けておくのは合理的です。
その候補が生成AIパスポートです。オンラインで受けるので会場の空席に左右されず、IPAの休止とも無関係に実施されます。ITパスポートで扱う情報リテラシーやセキュリティの考え方と重なる部分があるので、ここまでの勉強がそのまま役立ちます。違いはITパスポートと生成AIパスポートの比較にまとめました。
注意点は書いておきます。生成AIパスポートは国家試験ではなく民間資格で、履歴書や社内評価での通りはITパスポートのほうが堅い。ITパスポートの上位互換ではありません。あくまで「休止で止まっているあいだに手を動かし続けるための一手」であり、ITパスポートが受けられるうちは、そちらを先に取るのが基本です。
AIの資格をもう少し本格的にやるつもりなら、次の段はG検定になります。難易度は一段上がりますが、実務でAIを扱う人には役立つ範囲です。
よくある質問
QITパスポートを飛ばして基本情報から受けても大丈夫?▼
問題ありません。基本情報に受験資格はなく、ITパスポートの合格が前提条件ではありません。IT転職が目的で勉強時間を確保できるなら、いきなり基本情報から受けるのは制度上も実務的にも合理的な選択です。
Q両方同時に勉強するのはアリ?▼
おすすめしません。範囲が重なるとはいえ、試験対策としては別物です(特に科目B)。どちらかに絞って短期で取り切り、必要なら次へ進むほうが、トータルの期間は短くなります。
QITパスポートって履歴書に書ける?正直、恥ずかしくない?▼
堂々と書けます。国家試験です。特に非IT職では「ITの共通言語がわかる人」の証明として普通に機能します。ただしIT職の応募で「ITパスポートのみ」だと物足りなく見えるのも事実なので、エンジニア志望なら基本情報までを視野に。
QITパスポートも基本情報も飛ばして、いきなり応用情報は?▼
制度上は可能ですし、実務経験が長い人なら現実的な選択肢です。ただしIT未経験の方には正直おすすめしません。応用情報は記述式の問題があり、基礎が固まっていないと対策の効率が極端に悪くなります。未経験なら基本情報までで一度力試しを。
QITパスポートに受かったら、基本情報はどのくらい楽になる?▼
体感ですが、科目Aの勉強の立ち上がりがかなり楽になります。用語の土台ができているので、テキストが「知らない言葉だらけの本」から「知ってる話の深掘り」に変わる。ただし科目Bは別世界なので、そこは改めてゼロから練習が必要です。
迷って何日も止まっているのがいちばんもったいないです。ここで決めてしまいましょう。
まとめ:結局どっちから受けるべきか
IT就職・転職が目的 → いきなり基本情報でOK。まずはテキスト選びから。
▶ 基本情報技術者の参考書おすすめ6選【2026年版】
非IT職の教養・会社の推奨 → ITパスポートで十分。こちらもまずは1冊。
▶ ITパスポートのテキストおすすめ5選【2026年版】
自信がない・習慣づくりから → ITパスポート→基本情報のステップアップで着実に。
どちらを選んでも、試験は2027年1月以降にいったん休止される予定です(2026年内は受験可能)。迷っている時間が一番もったいないので、この記事で決めて、今日から動き出しましょう。応援しています!
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