
テキストは買った。やる気もある。でも「で、何から始めればいいの?」で手が止まっている——。
基本情報技術者試験の独学って、実はここが最初の壁です。範囲は広いし、科目Aと科目Bで勉強のやり方は違うし、ネットを見れば「1ヶ月で受かった」「半年かかった」と情報はバラバラ。計画がないまま走り出すと、だいたい科目Aの暗記だけで力尽きます。



こんにちは、現役ITエンジニアのごんちゃんです。業界歴10年(バックエンド開発4年・QA/SET6年、どちらもリーダー経験あり)、基本情報技術者試験の合格者です。
仕事柄、未経験のメンバーがこの試験に挑戦するのを何人も見てきました。


先に結論を言うと、社会人の独学に必要なのは根性ではなく「試験日からの逆算」です。この記事では、平日1時間ペースで間に合う3ヶ月プランを軸に、タイプ別のスケジュールを具体的な表で紹介します。
【受験予定の方へ・重要】基本情報技術者試験は、試験システム入れ替えのため一時休止が予定されています(システム移行の延期により休止は2027年1月以降の見込み・2026年内は受験可能)。2027年1月以降の実施時期は2026年秋頃にIPAが発表予定です。休止前に取り切るなら年内の受験が安心。この記事のスケジュールも「年内合格」を前提に逆算しています。(出典:IPA)詳しくは試験休止まとめの記事をどうぞ。


結論:あなたに合うプラン早見表



まず、自分がどのタイプかを確認してください。必要な期間と勉強時間はここで決まります。
| タイプ | 期間の目安 | 総勉強時間の目安 | 年内合格の最遅スタート |
|---|---|---|---|
| 完全未経験(IT知識ほぼゼロ) | 3ヶ月 | 約150時間 | 9月中旬 |
| ITパスポート合格済み | 2〜2.5ヶ月 | 約100〜120時間 | 10月上旬 |
| IT職・情報系出身 | 1〜1.5ヶ月 | 約60〜100時間 | 11月上旬 |
※勉強時間は一般に言われている目安で、個人差があります。「思ったより自分は時間がかかる」前提で、1〜2週間の余裕を持たせるのがおすすめです。
そして2026年ならではの注意がひとつ。「最遅スタート」と書きましたが、これはギリギリ12月受験を狙う場合の話です。年末に向けて試験の枠は埋まりやすくなることが予想されるので、現実的には11月中の受験日で計画を立てて、12月を「落ちたときの再挑戦枠」として取っておくのが賢い戦い方です。なお、再受験は前回の受験から30日を超えないと申し込めないルールがあるため(申込時に最新の規定をご確認ください)、11月上旬に受ければ年内にもう1回チャンスが残ります。
先に試験の全体像を30秒で



スケジュールの前提になるので、試験のルールをさっと確認しておきます。
| 項目 | 科目A | 科目B |
|---|---|---|
| 試験時間 | 90分 | 100分 |
| 問題数 | 60問(四肢択一) | 20問(多肢選択) |
| 内容 | テクノロジ・マネジメント・ストラテジの知識問題 | アルゴリズム16問+情報セキュリティ4問 |
| 合格基準 | 1,000点満点中600点 | 1,000点満点中600点 |
※出典:IPA(情報処理推進機構)の試験要項。受験はCBT方式(パソコンで受験)で、2026年内は通年で実施されています(休止は2027年1月以降)。
ポイントは、科目Aと科目Bの両方で600点を取る必要があること。片方だけ得意でも受かりません。これがこのあとの時間配分の話につながります。
勉強時間の配分は「科目A:科目B=1:1」が現実的



独学の計画で一番多い失敗が、これです。
テキストの大部分は科目Aの知識分野なので、素直にテキストを進めると勉強時間のほとんどが科目Aに吸われます。で、科目Aの過去問で点が取れるようになって「いける!」と思った頃に科目Bのサンプル問題を開いて、頭が真っ白になる——。基本情報の挫折パターンは、体感9割これです。
科目Aは「知識の試験」なので暗記で伸びますが、科目Bは「読解の技術」の試験なので、練習量がそのまま点になります。技術の練習は一夜漬けが効きません。だから計画の段階で、科目Bの練習時間を科目Aと同じくらい確保しておく必要があるんです。
科目Bがどういう試験で、なぜ「勉強したのに解けない」が起きるのかは、別記事でかなり詳しく書きました。科目Bが不安な方は先にこちらをどうぞ。
→ 基本情報の科目Bが難しすぎる人へ|現役エンジニアが教える「トレースの頭の動き」
3ヶ月プラン:社会人・未経験向けの本命スケジュール



ここからが本題です。モデルケースは平日1時間+週末3時間×2日=週11時間。3ヶ月(13週)で約140〜150時間になり、未経験でも合格ラインに届く計算です。
| 時期 | やること | ゴール |
|---|---|---|
| 1ヶ月目 前半 | テキストを最初から通読(1周目・理解6割でOK)。読んだ章の分だけ過去問道場(科目A)を解く | テキスト半分+全体像がつかめている |
| 1ヶ月目 後半 | テキスト1周完了。過去問道場は分野を指定して並走。このタイミングで試験日を予約する | テキスト1周+試験日確定 |
| 2ヶ月目 前半 | 科目B集中期間のスタート。科目B対策本でトレース(変数表を書く練習)を毎日1問 | 易しい問題なら変数表が書ける |
| 2ヶ月目 後半 | 科目Bの問題演習を継続しつつ、科目Aの過去問道場を模擬試験モードで回し始める | 科目A過去問で6〜7割 |
| 3ヶ月目 前半 | 科目Bのサンプル問題・公開問題を時間を計って解く。科目Aは間違えた分野だけ潰す | 時間内に解き切る感覚をつかむ |
| 3ヶ月目 後半 | 総仕上げ。科目A・Bとも本番形式で通し、直前1週間は新しいことをやらない | 本番へ |
このプランの3つのキモ
- ①試験予約を1ヶ月目にやる。
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「仕上がってから予約しよう」は、永遠に仕上がりません。締切があるから仕上がるんです。しかも2026年は休止前の駆け込みで枠が埋まりやすい年。先に日程を押さえるのは、勉強法である以上に座席の確保でもあります。
- ②テキスト1周目は6割の理解で先へ進む。
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1章を完璧にしてから次へ、は挫折の王道です。知識は過去問を解きながら2周目・3周目で固まっていくので、1周目は「地図を眺める」くらいの気持ちで通り抜けてください。
- ③2ヶ月目の主役を科目Bに明け渡す。
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科目Aの勉強は気持ちいいんです、覚えた分だけ点が伸びるから。でもそこに安住すると科目Bの練習時間が消えます。2ヶ月目からは「科目Bが主菜、科目Aが副菜」と意識を切り替えてください。
教材はシンプルでいい
このスケジュールで使う教材は「科目A用テキスト1冊+過去問道場(無料)+科目B対策本1〜2冊」だけです。あれこれ買い足すより、この3点セットを回し切るほうが確実です。テキスト選びは別記事で6冊を比較しているので、まだの方はこちらから。


科目B対策本は、私のイチオシ2冊をここにも置いておきます。
短期プラン:1〜1.5ヶ月(IT職・リベンジ組向け)
実務経験がある方や、一度受験して科目Aの貯金がある方は、工程を圧縮できます。ただし、削っていい工程と削ってはいけない工程があります。
- 削っていい:テキストの通読(知っている分野は目次だけ確認して、過去問道場で穴を探すほうが速い)
- 削っていい:科目Aのインプット期間(いきなり過去問から入ってOK)
- 削ってはいけない:科目Bのトレース練習。ここだけは短期プランでも2〜3週間は確保してください
「実務でコードを書いているから科目Bは大丈夫でしょ」と思った方、ちょっと待ってください。現場のメンバーを見ていても、普段コードを書いている人が擬似言語の独特な記法と「手で追う」感覚に慣れておらず、初見のサンプル問題で想定外に時間を食うのは珍しくありません。実務経験は武器になりますが、ノー練習で持ち込める武器ではないんです。最低でもサンプル問題を時間を計って1セット解いて、「自分は今どれくらい戦えるのか」を確認してから工程を決めてください。
独学が不安な人へ:講座という選択肢もある
ここまで独学プランを書いておいてなんですが、全員に独学をおすすめするつもりはありません。向き不向きは、わりとはっきりあります。
- 独学向き:締切を自分で作れる人/わからないことを検索で解決するのが苦にならない人/教材費を1万円以内に抑えたい人
- 講座向き:過去に独学で挫折したことがある人/質問できる相手が欲しい人/スケジュール管理ごと外注して勉強だけに集中したい人
特に「計画を立てても3日で崩れる」タイプの方は、講座のカリキュラムに乗ってしまうほうが、結果的に安くつくことがあります。時間切れで年内に受けられないのが、今年は一番もったいないので。
挫折しないための3つのコツ(現場のリーダー視点)
最後に、勉強法そのものより大事かもしれない話を。未経験メンバーの育成をしてきて感じる、「続く人」と「消える人」の分かれ目です。
①リカバリは「週単位」で考える
平日1時間と書きましたが、できない日は必ずあります。残業、飲み会、単純にやる気が出ない日。そこで「今日サボった、計画が崩れた、もうダメだ」と考える人から脱落していきます。計画は日単位ではなく週単位で守る。月曜サボったら週末に30分足す。それだけで計画は死にません。
②「続く人」は勉強を予定に入れている
続く人に共通しているのは、意志が強いことではなく、勉強する時間と場所が固定されていることです。「通勤電車で科目Aの一問一答」「朝、会社近くのカフェで30分」のように、生活の中に勉強の置き場所が決まっている。逆に「時間ができたらやる」の人は、時間ができません。
③模擬試験で「時間の感覚」を作ってから本番へ
知識が仕上がっていても、時間配分の練習をしていないと本番で焦ります。特に科目Bの100分20問は1問あたり5分ペース。3ヶ月目には必ず「時間を計って通しで解く」日を作ってください。本番の緊張がだいぶ減ります。
よくある質問
Q今から始めて年内に間に合いますか?▼
この記事の公開時点(2026年7月)なら、完全未経験の方でも3ヶ月プランで10月受験+再挑戦の余裕まで持てます。未経験の方は9月中旬、IT職の方は11月上旬までに始めれば年内合格圏です。ただし試験枠が埋まるリスクを考えると、始める決断は早いほど有利です。
Q科目Aと科目B、どっちから勉強すべき?▼
入り口は科目Aからで大丈夫です(科目Bを読むための基礎知識が科目Aに含まれるため)。ただし2ヶ月目からは主役を科目Bに切り替えてください。「科目Aが仕上がってから科目B」だと、ほぼ確実に練習時間が足りなくなります。
Qテキストと過去問道場だけで受かりますか?▼
科目Aはそれで十分です。科目Bだけは過去問の蓄積が少ない試験なので、トレースのやり方を解説した対策本を1冊足すことをおすすめします。詳しくは参考書比較の記事をどうぞ。
Q焦って年内に受けず、休止明けに受けるのはダメ?▼
「ダメ」ではありませんが、リスクは知っておいてください。再開時期は未定(2026年秋頃発表予定)で、しかも2027年度からは試験制度自体が新しくなる予定です。つまり「いつ受けられるか」「どんな試験になるか」が両方不確定。いま勉強した内容で受けられる保証がないので、受かる準備ができるなら年内に受けきるのが安全というのが私の考えです。詳しくは試験休止まとめの記事で解説しています。
まとめ:逆算して、予約して、週11時間
この記事のまとめ:①自分のタイプで期間を決める(未経験3ヶ月/経験者1〜1.5ヶ月) ②1ヶ月目に試験日を予約する ③時間配分は科目A:科目B=1:1、2ヶ月目から科目Bを主役に ④計画は週単位でリカバリする ⑤受けられるのは概ね2026年内まで(休止は2027年1月以降)。逆算は今日からが一番ラクです。
計画が決まったら、次は道具選びです。あわせてどうぞ。








