基本情報を持っていても、DX推進パスポートは1つも積めません。
上位資格なのに対象外です。休止の話とあわせると、次に取るものの順番が変わってきます。
基本情報に受かった。「で、次は応用情報でいいのかな」——そう考えているところだと思います。
通常ならそれで正解です。ただいまは事情がふたつあります。ひとつは休止。もうひとつは、あまり知られていないデジタルバッジの対象範囲です。この2つを踏まえると、選び方が少し変わります。
こんにちは、現役ITエンジニアのごんちゃんです。基本情報技術者は旧制度(午前・午後試験の時代)に取りました。いまはQA(品質保証)の仕事をしながら、AIを業務に入れる取り組みを担当しています。
ITパスポート・基本情報技術者・情報セキュリティマネジメントの3試験は、一時休止が予定されています(延期により休止は2027年1月以降・2026年内は受験可能。2027年1月以降の具体的な実施スケジュールは2026年秋にIPAが発表予定)。年内に受けるものがあるなら、試験日の確保を先にしてください。(出典:IPA)
「次は応用情報」と決めきる前に、止まる試験と止まらない試験を分けてみてください。
まず、止まるものと止まらないものを分けます
次を選ぶ前に、この整理だけしておいてください。休止の対象になっているのはIPAの3試験だけです。
| 休止の対象 | 休止しないもの |
|---|---|
| ITパスポート 基本情報技術者 情報セキュリティマネジメント | 応用情報技術者(IPAだが対象外) G検定 DS検定 生成AIパスポート |
ポイントは2つあります。ひとつは応用情報がIPAの試験なのに休止の対象に入っていないこと。もうひとつは、G検定・DS検定・生成AIパスポートはそもそもIPAの試験ではないので、この話と関係なく受けられることです。
つまり次に取るものについては、休止を理由に急ぐ必要がありません。急ぐ理由があるとしたら、それは次に書くほうの話です。
意外なところ:基本情報はDX推進パスポートの対象外です
ここが今回いちばん伝えたいところです。DX推進パスポートという、合格した資格の数に応じて発行されるデジタルバッジがあります。デジタルリテラシー協議会(構成団体はIPA・データサイエンティスト協会・日本ディープラーニング協会)が出しているもので、申請は無料です。
対象になるのは、この3つだけです。
- ITパスポート試験(2021年4月以降の合格が対象)
- G検定
- DS検定 リテラシーレベル
基本情報技術者は入っていません。応用情報も入っていません。ITパスポートの上位にあたる資格を持っていても、バッジの数はゼロのままです。「上位資格なんだから当然含まれるだろう」と考えていると、そこでずれます。
この作りは、難易度の階段ではなく「3つの領域を揃えているか」を見ていると考えると腑に落ちます。ITの土台、AIの知識、データの扱い。基本情報はITの土台を深く掘る資格なので、階段の上ではあっても、別の領域を埋めたことにはならない、ということだと読めます。
バッジそのものの条件や申請手順はDX推進パスポートとは?にまとめました。1つ合格でバッジ1、2つで2、3つ全部で3という仕組みです。
ここで唯一、休止が効いてきます。3つのうちITパスポートだけが止まる試験だからです。
目的別に、3つのルートがあります
ルート①:IT全般を深める → 応用情報技術者
いちばん素直な進み方です。応用情報は休止の対象外なので、2027年前半も実施される予定です。受験料は7,500円、年2回(前期・後期)。
気をつけるところは科目B(記述式)です。基本情報の科目Bはプログラムを読む試験でしたが、応用情報の科目Bは日本語で説明を書く試験で、必要な力が違います。どれくらい間隔を空けるべきかは基本情報から応用情報まで、どれくらい間隔を空ける?にまとめました。前期と後期のどちらに出すかは前期と後期の違いをどうぞ。
ルート②:AI方面に広げる → 生成AIパスポート、そしてG検定
職場でAIの話が増えていて、そこに乗りたいならこちらです。どちらもIPAの試験ではないので、休止と関係なく受けられます。
入口としては生成AIパスポート(11,000円・60問60分・年5回)が扱いやすく、そこからG検定(13,200円)に進む形が無理がありません。G検定はDX推進パスポートの対象でもあるので、バッジを意識するならこちらを先にする手もあります。
基本情報で学んだ情報セキュリティや法務の知識は、AI資格の土台とかなり重なります。まったくの新分野に飛ぶわけではないので、そこは安心してください。ただしAI特有の判断(入力してよい情報の線引き、出力の確かめ方)は別途学ぶ必要があります。5つを並べた比較はAIの資格はどれを取るべき?にあります。
ルート③:デジタルバッジを積む → ITパスポートを休止前に
3つ揃えてバッジ3まで行くつもりなら、順番が決まります。ITパスポートだけが休止する試験だからです。
基本情報に受かった人にとって、ITパスポートは範囲が下位にあたるので、負担は軽いはずです。受けるなら2026年内。ここを逃すと、2027年1月以降の実施時期が発表されるまで動けなくなります。
うーんなところも正直に書きます。下位資格をわざわざ取り直すことになるので、抵抗を感じる人はいると思います。バッジそのものに実務上の効力があるわけでもありません。「持っている資格が1つの証明にまとまる」以上の意味は、現時点ではありません。そこに1回分の受験料と時間を使う価値があるかは、人によります。
2026年内にやっておくこと
時間軸で整理すると、動くべきものは限られます。
| やること | いつまで |
|---|---|
| ITパスポートを取る(バッジを狙う場合のみ) | 2026年内。休止に入ると動けません |
| 応用情報に出す | 急がなくて可。休止の対象外です |
| G検定・DS検定・生成AIパスポート | 急がなくて可。休止と無関係です |
期限があるのはITパスポートだけだと分かると、判断がかなり楽になります。休止の状況はITパスポート・基本情報はなぜ休止?で追いかけています。
応用情報に進む場合、独学で計画を引ける人はそのままで問題ありません。うーんなところを書くと、講座は6か月で72,600円と基本情報の教材費とは桁が違います。効くのは「解答は書けているのに点にならない」で止まったときに限られます。
AI方面に広げる場合、入口の生成AIパスポートは範囲が狭いので独学で届く人が多いはずです。うーんなところは、講座が10,780円で受験料11,000円とほぼ同額なこと。テキスト1冊で足りている人には過剰です。
よくある質問
Q次はやっぱり応用情報でいいですか?▼
IT全般を深めたいなら、それで問題ありません。応用情報は休止の対象外なので急ぐ必要もありません。ただし科目Bの性格が基本情報とは変わります。基本情報の科目Bはプログラムを読む試験でしたが、応用情報は日本語で説明を書く試験です。
Q基本情報はDX推進パスポートの対象になりますか?▼
なりません。対象はITパスポート試験・G検定・DS検定リテラシーレベルの3つだけです。応用情報も含まれていません。上位資格だから含まれるという作りではなく、指定された3試験の合格数で決まる仕組みになっています。
QいまからITパスポートを取り直す意味はありますか?▼
DX推進パスポートのバッジを揃えたい場合には意味があります。3試験のうちITパスポートだけが休止の対象なので、狙うなら2026年内です。ただしバッジ自体に実務上の効力があるわけではないので、下位資格を受け直す手間に見合うかは人によります。
Q基本情報の知識はAI資格に活きますか?▼
情報セキュリティや法務の部分はかなり重なります。まったくの新分野に飛ぶわけではありません。ただしAI特有の判断、たとえば入力してよい情報の線引きや出力の確かめ方は、別途学ぶ必要があります。
Q休止のあいだ、何も受けられなくなりますか?▼
そうではありません。休止の対象はITパスポート・基本情報・情報セキュリティマネジメントの3つで、応用情報は対象外です。G検定・DS検定・生成AIパスポートはIPAの試験ではないので、この話と関係なく受けられます。
まとめ
まとめ:基本情報の次は、目的で3つに分かれます。IT全般なら応用情報(休止の対象外なので急がなくて可)、AI方面なら生成AIパスポートからG検定(IPAの試験ではないので休止と無関係)、デジタルバッジを積むならITパスポートを2026年内に。そして知っておいてほしいのが、基本情報はDX推進パスポートの対象外だということ。上位資格でも、指定された3試験でなければ数に入りません。
バッジの仕組みそのものはDX推進パスポートとは?へ。申請は無料で、いま持っている資格の数だけ発行されます。
