合格率の数字より、落ちた人がどこで落ちたかのほうが役に立ちます。
IPAの実数を見ると、つまずく場所は2か所に集まっています。どちらも先に知っていれば避けられます。
「ITパスポートの合格率って何%なんだろう」と調べている方へ。数字はこのあとすぐ書きます。
ただ、その数字を見ても「で、自分は受かるの?」には答えが出ません。そこで、IPAが公表している実数から落ちている人がどこでつまずいているのかまで見ていきます。
こんにちは、ごんちゃんです。現役のITエンジニアで、未経験の方に教える機会も多くあります。
【重要】ITパスポートは一時休止が予定されています(延期で休止は2027年1月以降・2026年内は受験可能)。年末は駆け込みで会場が埋まりやすいので、早めの予約を。休止まとめへ。
令和7年度の合格率は48.6%でした
IPAが公表している令和7年度の実績です。
| 応募者数 | 307,266人(2年連続で30万人超) |
| 受験者数 | 271,352人 |
| 合格者数 | 132,012人 |
| 合格率 | 48.6% |
出典:情報処理推進機構(IPA)「令和7年度 iパス(ITパスポート試験)の年間応募者数等について」
受けた人の半分は落ちています。「入門資格だから簡単」と紹介されることが多い試験ですが、数字だけ見るとそうでもありません。累計の応募者は260万人を超えていて、受ける人が増えても割合は半分あたりで動いています。
受験する人の顔ぶれも変わってきています。IPAによると非IT系の企業を中心に活用が続いており、建設業と医療福祉業で大幅に増加。学生も情報系以外の文系・普通系が増加傾向だそうです。つまり「ITが本業ではない人」が母数の多くを占めています。
つまずき①:総合600点では足りません
半分が落ちる理由の1つはここです。合格基準は公式にこう書かれています。
総合評価点600点以上であり、かつ分野別評価点もそれぞれ300点以上であること
出典:ITパスポート試験 公式サイト「出題範囲・評価方法」
条件が2つあります。総合で600点を超えても、3分野のうち1つでも300点を割ると不合格です。得意分野で稼いで苦手を無視する、という作戦が通りません。
ここで効いてくるのが分野ごとの問題数の偏りです。
| 分野 | 採点対象 | 必要な点 |
|---|---|---|
| テクノロジ系 | 42問 | 300点以上 |
| ストラテジ系 | 32問 | 300点以上 |
| マネジメント系 | 18問 | 300点以上 |
出典:ITパスポート試験 公式サイト。分野別評価の満点はそれぞれ1,000点です。
マネジメント系だけ18問しかありません。テクノロジ系の半分以下です。問題数が少ない分野ほど、1問の重みが大きくなります。ここを「範囲が狭いから後回し」にすると、いちばん落としやすい場所になります。
スコアの読み方や、不合格だったときにどこを見ればいいかはITパスポートの合格発表と600点の話にまとめてあります。
つまずき②:100問のうち8問は採点されません
あまり知られていないのですが、公式にこう書かれています。
残りの8問は今後出題する問題を評価するために使われます
出典:ITパスポート試験 公式サイト
出題は100問ですが、採点されるのは92問です。そして、どの8問が採点対象外なのかは受験者にはわかりません。
これ、本番でかなり効いてきます。「見たこともない問題」が出ても、それが採点対象外の8問かもしれない、ということなので。
試験中に手が止まる原因のほとんどは「1問に引っかかって焦る」ことです。ところが100問中8問は、そもそも点にならない問題が混ざっています。知らない問題に当たったとき、それは自分の勉強不足ではなく、単に採点されない問題かもしれない。そう思えるだけで、残りの問題に落ち着いて向かえます。
試験時間は120分で100問。1問あたり1分12秒です。1問に固執する余裕はありません。わからない問題は飛ばす、と決めておいてください。
実は、いちばん多い「落ち方」は別にあります
先ほどの表をもう一度見てください。応募者は307,266人、受験者は271,352人です。
差し引くと約3万6千人です。しかも公式には「受験申込内容を変更できず受験されなかった場合であっても、受験手数料は返還できません」と書かれています。受験料を払ったうえで、受けずに終わっている人がこれだけいるということです。ここは注意してください。合格率の話をする前に、まず受験会場にたどり着けるかどうかのほうが大きな関門になっています。
※応募者数と受験者数はIPAの公表値です。その差(35,914人)は当サイトで計算したものです。
予約の変更ができるのは試験日の3日前までで、そこを過ぎると理由を問わず動かせません。受ける日を決めるときは、当日の予定より「3日前の時点で行けるとわかっているか」で選んでください。日程の決め方はITパスポートの試験日と申し込みに整理しています。
48.6%という数字は、あなたが受かるかどうかとはほとんど関係がありません。この母数には、会社に言われて仕方なく申し込んだ人も、ほぼ勉強せずに来た人も入っています。「半分受かるなら自分もいけそう」と読むのも、「半分落ちるなら難しそう」と読むのも、どちらも当てになりません。合格率は試験の性格を知る材料であって、自分の見通しを立てる材料にはならない——そこは割り切ったほうがいいと思います。
では、何を見て判断すればいいのか
未経験の方に教えてきた経験から言うと、見るべきなのは合格率ではなく「3分野のうち、いちばん薄いところがどこか」です。
落ちる人はたいてい、総合点が足りないのではなく1分野だけ落としています。そして薄くなりやすいのは、仕事で触れていない分野です。エンジニア寄りの人はマネジメント系が、事務職の方はテクノロジ系が空きやすい。ここは自分でだいたい見当がつくはずです。
まずテキストの目次を開いて、3分野それぞれで「知らない言葉がどのくらいあるか」を数えてみてください。いちばん多い分野が、あなたの落とし穴です。テキスト選びはITパスポートのテキストおすすめにまとめました。
※本記事の合格率・受験者数はすべてIPAが公表している数値です。2026年8月時点の確認なので、最新の数字は公式ページでご確認ください。当サイトはアフィリエイトプログラムを利用しており、リンクから申し込みがあった場合に紹介料を受け取ることがあります。
受けられなくなる前に、もうひとつの選択肢も見ておく
合格率を調べている段階なら、まだ受験時期に余裕があるはずです。だからこそ先に押さえておいたほうがいいことがあります。
ITパスポートは休止が予定されていて、2027年1月以降の実施時期はまだ発表されていません(発表は2026年秋の予定)。つまり、いま準備している人にとっては「年内に受け切れるか」がそのまま分かれ目になります。間に合いそうにないなら、休止と関係なく受けられる資格に一度目を向けておくのは合理的です。
その候補が生成AIパスポートです。オンラインで受けるので会場の空席に左右されず、IPAの休止とも無関係に実施されます。ITパスポートで扱う情報リテラシーやセキュリティの考え方と重なる部分があるので、ここまでの勉強がそのまま効きます。違いはITパスポートと生成AIパスポートの比較にまとめました。
うーんなところは正直に書いておきます。生成AIパスポートは国家試験ではなく民間資格で、履歴書や社内評価での通りはITパスポートのほうが堅い。ITパスポートの上位互換ではありません。あくまで「休止で止まっているあいだに手を動かし続けるための一手」であり、ITパスポートが受けられるうちは、そちらを先に取るのが基本です。
AIの資格をもう少し本格的にやるつもりなら、次の段はG検定になります。難易度は一段上がりますが、実務でAIを扱う人には効く範囲です。
よくある質問
QITパスポートの合格率は何%ですか?▼
IPAの公表によると令和7年度は48.6%でした。応募者数307,266人に対して受験者数が271,352人、合格者数が132,012人です。応募者数は2年連続で30万人を超えており、累計では260万人を超えています。
Q合格率が5割を切るのはなぜですか?▼
合格の条件が2つあるためです。公式には「総合評価点600点以上であり、かつ分野別評価点もそれぞれ300点以上であること」と書かれています。つまり総合点が足りていても、ストラテジ系・マネジメント系・テクノロジ系のうち1つでも300点を割ると不合格になります。得意分野で稼いで苦手を捨てる作戦が使えません。
Qいちばん落としやすい分野はどこですか?▼
採点対象の問題数を見ると、テクノロジ系が42問、ストラテジ系が32問に対して、マネジメント系は18問しかありません。問題数が少ない分野ほど1問の重みが大きくなるので、範囲が狭いからと後回しにすると危険です。ただし実際にどこが薄いかは人によって違うので、テキストの目次で3分野それぞれの「知らない言葉の数」を数えてみるのが早いです。
Q100問すべてが採点されるのですか?▼
いいえ。出題は100問ですが、採点対象は92問です。公式には「残りの8問は今後出題する問題を評価するために使われます」と書かれています。どの8問が採点対象外なのかは受験者にはわかりません。知らない問題に当たっても、それが採点されない問題である可能性があるので、引きずらずに次へ進んでください。
Q合格率を見れば自分が受かるか判断できますか?▼
あまり参考になりません。母数には会社に言われて申し込んだ人も、ほとんど勉強せずに来た人も含まれています。それよりも、応募者数と受験者数の差である約3万6千人が受験そのものをしていない点のほうが実務的です。受験手数料は返還されないので、日程を決めるときは試験日の3日前の時点で行けるかどうかを基準にしてください。
まとめ
令和7年度の合格率は48.6%。受けた人の半分は落ちています。ただしその数字はあなたの見通しを教えてくれません。
覚えて帰っていただきたいのは3つです。総合600点だけでは足りず、3分野それぞれで300点が要ること。100問のうち8問は採点されないので、知らない問題を引きずらないこと。そして毎年3万6千人が、申し込んだのに受けずに終わっていること。
やることは単純です。テキストの目次で、いちばん知らない言葉が多い分野を見つける。そこから埋める。合格率を眺めるより、こちらのほうがずっと早く進みます。
