簿記のように電卓が使えたら助かるのに……と思いますよね。
結論からいうと、基本情報技術者試験では、電卓の持ち込みも使用もできません。ただし試験は電卓なしで解ける前提で作られているので、計算のコツを押さえておけば心配はいりません。
この記事では、電卓の代わりになる計算のコツと、時間配分の考え方を紹介します。
実は「電卓が使えなくて落ちた」という人、見たことがありません。その理由を順番に見ていきましょう。
基本情報技術者試験に電卓は持ち込める?【結論:持ち込み・使用ともに不可】
IPA(試験の実施団体)の案内で、基本情報技術者試験(CBT方式)では電卓の持ち込み・使用はできないとされています。簿記検定のように「電卓持参」の文化がある試験と混同しやすいのですが、基本情報は真逆で、計算道具は一切持ち込めません。
では計算はどうするかというと、会場で貸与されるメモ用具を使って手書きで行います。自分でメモ用紙や筆記用具を用意する必要はありません(むしろ私物は使わない運用です)。貸与や返却のしかたなど細かい部分は会場によって案内が異なるので、当日はスタッフの指示に従えば大丈夫です。
当日の持ち物全体(本人確認書類など)と受付から退室までの流れは、基本情報の当日の流れ・持ち物の記事にまとめています。電卓以外の持ち物が不安な方はあわせてどうぞ。
電卓なしでどう計算する?試験で使える3つのコツ
「電卓なしで計算問題なんて無理」と感じるかもしれませんが、実は逆です。電卓が禁止されているからこそ、問題は手計算で解ける範囲に収まっています。作問側も電卓なしの前提で作っているのです。私が後輩に教えてきたコツは3つあります。
240×98なら「24,000より少し小さい」で十分。筆算は選択肢が近いときだけ
「2で割って余りを並べる」「1024倍ずつ桁が上がる」を過去問で反復
手計算前提の試験なので、計算がぐちゃぐちゃなら間違いのサイン
コツ①:正確に計算せず「概算」で選択肢を絞る
基本情報の計算問題は選択式です。そして多くの場合、選択肢どうしの値が大きく離れています。つまり「だいたい2,000くらい」まで分かれば答えが選べる問題が多い。240×98のような計算が出たら、私なら「240×100=24,000より少し小さい」で処理します。筆算で正確に解くのは、選択肢が近いときだけで十分です。
コツ②:2進数・単位換算は「計算」ではなく「手順」で覚える
基本情報らしい計算といえば2進数の変換やビット・バイトの単位換算ですが、これは数学というより決まった手順の作業です。「2で割って余りを並べる」「1024倍ずつ桁が上がる」といった手順を体で覚えてしまえば、電卓の出番はそもそもありません。ここは慣れの世界なので、過去問での反復がいちばん効果的です。
コツ③:「きれいな数字になる」性質を利用する
手計算前提の試験なので、途中の割り算が延々と割り切れない、といった意地悪な問題はまれです。計算がぐちゃぐちゃになってきたら、解き方を間違えているサインだと思ってください。これは本番での軌道修正にも使える感覚です。
本音を言うと、計算力より「概算で済ませる割り切り」のほうが合否を左右します。真面目な人ほど筆算で時間を溶かしがちなので。
計算問題は全部解けなくても大丈夫:時間配分の考え方
もうひとつ大事な前提を。科目Aの中心は知識問題で、計算問題は一部です。つまり計算が苦手でも、知識問題を確実に取れば十分に戦えます。私が後輩に伝えていたのは「計算問題は2分考えて方針が立たなければ、いったん飛ばして最後に戻る」というルール。1問に固執して時間切れになるのが一番もったいない失敗です。
計算問題への慣れは、無料の過去問道場での反復が最短です。分野を絞って計算系の問題だけ集中的に解く使い方は、科目Aの勉強法の記事で詳しく書いています。手元に1冊置いておきたい方は基本情報の参考書おすすめもどうぞ。
電卓が使えないぶん、どこで差がつくか
電卓が持ち込めない試験では、計算そのものより「計算しなくて済む解き方を知っているか」で差がつきます。2進数の桁の感覚、10進との対応、概算で選択肢を2つに絞る手順。どれも書いてある本と、書いていない本があります。
この見極めは目次では分からないので、実際に計算問題の解説ページを見るのがいちばん早いです。手持ちの本で足りているかも含めて、基本情報の参考書おすすめを計算問題の扱いという観点で見直してみてください。
電卓が使えない試験で効くのは解説の書き方です› 科目Bのセキュリティ分野
配点が大きいのに対策が薄くなりがちなところ› 基本情報の当日の流れ
持ち物と、会場で戸惑わないための手順›
受かったあとの話も、先に少しだけ
計算問題を越えて合格までたどり着いたあと、次に何を取るか。通常なら応用情報ですが、いまは事情がひとつあります。
基本情報は休止が予定されていますが、応用情報は対象外です。つまり次に進むぶんには急ぐ必要がありません。もうひとつ知っておくと選び方が変わるのが、基本情報はDX推進パスポートの対象外だということです。ITパスポート・G検定・DS検定の3つが対象なので、上位資格である基本情報を持っていてもバッジは積めません。
目的別の分岐は基本情報の次に取る資格は?にまとめました。
よくある質問
Q基本情報技術者試験で計算機は使えるか、関数電卓やそろばんはどうですか?▼
どれも同じ扱いです。計算機は電卓の別の呼び方なので、結論は変わりません。関数電卓やそろばんのような計算のための道具も、電卓と同じく持ち込み・使用ともに認められていません。「電卓はダメでも計算機なら」「関数電卓は別枠では」と考えて調べている方が多いのですが、区別はありません。試験画面と、会場で渡されるメモ用紙だけで解く前提で準備してください。
Qスマホの電卓アプリやスマートウォッチなら使えますか?▼
使えません。電卓に限らず、私物を試験室で自由に使える運用ではありません。持ち込み品の扱いは会場ごとに案内があるので、当日はスタッフの指示に従ってください。
Qメモ用紙は自分で持ち込めますか?▼
メモ用具は会場で貸与されるものを使います(IPAの案内)。自分で用意する必要はなく、計算やメモはすべて貸与品で行うと考えておけば大丈夫です。
Q電卓なしだと、計算が苦手な文系には不利ではないですか?▼
心配いりません。問題は電卓なしで解ける前提で作られており、必要なのは四則演算と概算くらいです。高度な数学は出ませんし、計算問題自体が一部なので、知識問題で十分カバーできます。
Q簿記と併願する予定です。電卓のルールを混同しそうで不安です。▼
覚え方はシンプルで、「簿記は電卓必須、基本情報は電卓禁止」と正反対です。試験ごとに持ち物ルールは違うので、受験前に必ずその試験の公式案内を確認する習慣をつけておくと安心です。
まとめ:電卓の心配より、概算の練習を
この記事のまとめ
- 電卓は持ち込み・使用ともに不可(IPAの案内)。計算は会場貸与のメモ用具で手書き
- 問題は電卓なしで解ける前提。概算・手順化・「きれいな数字になる」性質で乗り切れる
- 計算問題は一部なので、固執せず飛ばす勇気を。知識問題の確実さが合否を分ける
- 受験できるのは概ね2026年内まで(休止は2027年1月以降の予定)。試験日の確保はお早めに
