
書店のIT資格コーナー、行ったことありますか?
ITパスポートのテキストだけで20種類以上がずらーっと並んでいて、しかもどの表紙にも「一発合格!」「いちばんわかりやすい!」と書いてあるんです。……いや、全部いちばんは無理でしょ、と。







はじめまして。現役ITエンジニアのごんちゃんです。この業界で10年働いていて(開発とQA、どちらもリーダー経験あり)、基本情報技術者試験にも合格しています。
仕事柄、未経験のメンバーが資格に挑戦する姿をたくさん見てきました。
そこで気づいたことがひとつ。テキスト選びの失敗って、「ダメな本を選ぶこと」じゃなくて「自分に合わない本を選ぶこと」で起きるんです。
この記事では、定番テキスト5冊を「説明はちゃんと正確か」「最後まで読み切れるか」という現場目線で比べて、タイプ別に「あなたならこれ」を提案します。急いでいる方は、すぐ下の早見表だけ持って帰ってもらってもOKです!
【2026年に受験する方へ・重要】 ITパスポート試験は、試験システムの入れ替えのため一時休止が予定されています(試験自体がなくなるわけではありません)。システム移行の延期により休止は2027年1月以降の見込みで、2026年内は受験可能です。2027年1月以降の実施時期は2026年秋頃にIPAから発表される予定です。会場によっては早く枠が埋まる場合もあるので、年内の合格を目指す方は早めに試験日を確保しておきましょう。(出典:IPA「CBT方式で実施するITパスポート試験等における2026年5月以降の試験実施について」)


結論:あなたに合うテキスト早見表
| 書名 | 価格(税込) | ボリューム | イラスト量 | こんな人向け |
|---|---|---|---|---|
| みんなが欲しかった!ITパスポートの教科書&問題集 2026年度版(TAC出版) | 1,650円 | 約670p(分冊可) | 多い | 迷ったらこれ。1冊で完結させたい人 |
| かやのき先生のITパスポート教室 令和08年(技術評論社) | 1,760円 | 標準 | 中 | 授業を受ける感覚で読みたい人 |
| キタミ式イラストIT塾 ITパスポート 令和08年(技術評論社) | 2,200円 | 約600p | とても多い | 文字だけの本で挫折したことがある人 |
| スッキリわかる ITパスポート 2026年度版(TAC出版) | 1,650円 | 504p | 中 | 短期間で要点だけ押さえたい人 |
| 出るとこだけ!ITパスポート 2026年版(翔泳社) | 1,738円 | コンパクト | 中 | 試験まで時間がない人・リベンジ受験の人 |
※価格は2026年7月時点の調査によるものです。変動する場合があるので、購入時は販売ページでご確認ください。
テキスト選びで失敗しない3つの基準



5冊の紹介に入る前に、選ぶときの「物差し」を共有させてください。といっても、見るポイントは3つだけです。
①最新シラバスに対応しているか(でも「6.5対応」じゃなくても大丈夫)
ITパスポートの出題範囲は、IPA(情報処理推進機構)が決める「シラバス」で定められていて、ちょくちょく改訂されます。最新はVer.6.5(2026年1月8日公開)です。
ここで、ちょっと業界の内側っぽい話を。実は今回紹介する2026年度版テキストの多くは「シラバスVer.6.4対応」と書かれています。「え、最新は6.5なのに大丈夫?」と思いますよね。結論、大丈夫です。 Ver.6.4→6.5の変更は「下請法」が削除されて「中小受託取引適正化法」(2026年1月施行の新しい法律)が追加された、この1項目だけだからです。この1点だけ頭に入れておけば、6.4対応のテキストで何の問題もありません。
本当に注意すべきなのは、もっと前の改訂です。2024年10月適用のVer.6.3で、生成AI・DX・GX関連の用語が132語も一気に追加されました。プロンプトエンジニアリングやマルチモーダルAIといった用語は、ここで試験範囲に入ったものです。
つまり、メルカリや古本屋で2024年より前のテキストを安く買うのは、ITパスポートに関してはやめておきましょう。数百円ケチった結果、試験に出る新用語がまるごと載っていない本で勉強することになります。それはさすがに切ない。「2026年度版」「令和08年」表記のものを選べば安心です。
②「読み切れる分厚さ」か
これ、私が現場で後輩たちを見ていて一番強く感じることです。
分厚くて網羅性の高いテキストは、一見「これ1冊あれば安心!」に見えるんですよね。でも初学者にとって600ページ超えの本は、だいたい3章あたりで手が止まります(そして本棚のこやしに……)。逆に、普段からITに触れている人が薄い要点本を買うと「知ってることしか書いてない」とガッカリすることに。
大事なのは、自分の前提知識と勉強期間に対して「最後のページまでたどり着ける本」を選ぶこと。テキストは読み切ってナンボです。
③問題演習とどう組み合わせるか
ITパスポートには「過去問道場」(ITパスポート試験ドットコム)という、無料とは思えないくらい優秀な過去問サイトがあります。多くの合格者が「テキスト+過去問道場」の組み合わせで受かっていて、私もこれが最短ルートだと思っています。
ちなみに最近のテキストは、購入特典としてWeb問題アプリ(技術評論社の本なら「DEKIDAS-WEB」など)が付くのが標準になってきました。これも便利ですが、基本は「テキストでインプット、過去問道場(またはアプリ)でアウトプット」という役割分担。テキスト自体は「読んでインプットしやすいか」だけで選べばOKです。
おすすめテキスト5冊を徹底比較
お待たせしました、ここから1冊ずつ見ていきます。「基本情報/いいところ/うーんなところ/エンジニア視点のひとこと/こんな人におすすめ」の順で、フォーマットをそろえてお届けします。
①みんなが欲しかった!ITパスポートの教科書&問題集 2026年度版(TAC出版)
- 価格:1,650円(税込)
- ボリューム:約670ページ(テキスト部分と問題集部分に分冊可能)
- 特徴:フルカラー、問題集アプリ付き、シラバス6.4対応
「みんほし」の愛称でおなじみの、ザ・定番です。フルカラーで図解たっぷり、テキストと問題集をパカッと分冊できるので持ち運びにも困りません。見開きで問題と解説が完結するレイアウトは、勉強のリズムが作りやすくて気持ちいいです。
合体型なのでどうしても分厚い(約670ページ)。「買った本は全部やらないと気が済まない」タイプの人には、その分厚さ自体がプレッシャーになるかも。


付属の問題集アプリが地味に優秀です。机に向かえる日は紙+赤シート、移動中はアプリと、勉強のシーンを選ばない作りになっているのがいい。「今日は疲れてるからスマホで数問だけ」ができる本は、忙しい社会人にとって正義です。
初めての受験で、1冊で完結させたい人。迷ったらこれ。大きな失敗はまずありません。
②かやのき先生のITパスポート教室 令和08年(技術評論社)
- 価格:1,760円(税込)
- 特徴:「イメージ&クレバー方式」の講義調解説、赤シート付き、過去問2,800問収録のWebアプリ「DEKIDAS-WEB」が特典
- 補足:以前は「栢木(かやのき)先生」表記だったシリーズ。読み方はどちらも同じで、通称「猫本」としてシリーズ累計150万部を超える超定番です
先生が語りかけてくれる講義スタイルで、独学なのに「授業を受けてる感覚」で進められます。「〇〇とくれば××」方式で重要ポイントを反復してくれる構成は、長年改訂を重ねてきたシリーズならではの安定感。広いシラバスの中から出題頻度の高い分野に重点を置いているので、網羅本より効率よく合格ラインを狙えます。特典のWebアプリに過去問2,800問が入っているのも、この価格では破格です。
イラストはあるものの、キタミ式ほどのインパクトはなし。良くも悪くも王道・オーソドックスです。


実はこのシリーズ、私が高校生の頃からすでに定番でした。10年以上たった今も受験生に選ばれ続けているのには、シンプルな理由があります。とにかく説明がわかりやすい。流行りに左右されず改訂で磨かれ続けてきた一冊なので、安心しておすすめできます。
参考書を「読む」より「教わる」ほうが好きな人。学生時代、教科書より先生の説明で理解するタイプだった人。
③キタミ式イラストIT塾 ITパスポート 令和08年(技術評論社)
- 価格:2,200円(税込)
- 特徴:全編イラストベースの解説(約600ページ・フルカラー)、過去問解説212問収録、令和08年版からWebアプリ「DEKIDAS-WEB」が特典に追加
イラストの量がとにかく桁違い。ほぼすべての解説がイラストで進むので、「CPUって結局なに?」「ネットワークのイメージが湧かない」という完全初心者でも、絵で直感的にわかります。最初の1冊としての挫折しにくさは、5冊の中でダントツだと思います。著者のきたみりゅうじさんは元プログラマなので、技術系の説明に妙な間違いがないのも安心ポイント。
イラスト中心のぶん、同じ情報量でもページ数と価格は5冊中最高(2,200円)。それと、すでにITに触れている人には、ちょっと回りくどく感じるかもしれません。


この本の本質は、IT用語を「暗記」ではなく「概念」として学べることです。エンジニアの実感として、IT知識は先にイメージを持てた人が勝ちます。用語の丸暗記は試験が終わると消えますが、イラストで掴んだ概念は仕事でも残る。初学者の最初の一冊として理にかなっています。
文字中心の本で挫折した経験がある人。「自分、活字ニガテだな……」と自覚がある人。
④スッキリわかる ITパスポート 2026年度版(TAC出版)
- 価格:1,650円(税込)
- ボリューム:504ページ
- 特徴:速習型のコンパクト構成、シラバス6.4対応
- 補足:2026年度版から「ニュースペックテキスト」を改名・リニューアルした本です。旧名で探している方はご注意を
「みんほし」よりひと回りコンパクトで、合格に必要な重要ポイントに絞った構成。CBT方式(パソコンで受ける試験形式)の注意点にも触れてくれているので、本番のイメージ作りまでできます。
網羅性は大型本に一歩譲ります。シラバスの隅っこから出る細かい用語は、過去問演習で拾う前提の本です。


各章の冒頭に「学習のポイント」と重要単語がまとまっているのが好印象です。先に全体像と目的地を見せてから中身に入る構成は、忙しい社会人が細切れ時間で読み進めるのにちょうどいい設計だと思います。
勉強期間が1〜2ヶ月と短めの人。仕事でITに触れていて、ゼロからの説明はいらない人。
⑤出るとこだけ!ITパスポート 2026年版(翔泳社)
- 価格:1,738円(税込)
- 特徴:頻出項目特化型、フルカラー、過去問収録のWebアプリ付き(収録問題数は販売ページでご確認を)
書名のまんま、よく出るところに絞り込んだ潔い構成で、5冊の中で最も「最短合格」に振り切っています。キャラクターによるポイント解説と赤シートで、テンポよく暗記を進められます。付属のWebアプリで過去問演習までカバーできるのは、この価格帯だとかなりお得です。
絞り込み型なので、ITを体系的にしっかり学びたい人には物足りないはず。「合格」が目的ならアリ、「理解」も欲しいなら他の本を。


出題の多い分野から学べる構成は、効率を最優先にした設計です。試験対策としては合理的な考え方で、「全範囲を一周してから過去問」ではなく「重要なところから固める」進め方をしたい人と相性がいいはずです。
試験日まで時間がない人。一度落ちてしまって、頻出分野を総復習したいリベンジ受験の人。
よくある質問
Qテキストなしで、過去問道場だけで合格できますか?▼
できる人もいます。ただし条件付きです。IT用語にある程度なじみがある人(仕事でPCを使う、ニュースのIT用語がだいたいわかる)なら過去問中心でも戦えます。一方、完全初心者が過去問だけで挑むと「解説を読んでも、その解説がわからない」という無限ループに入りがちです。
Q去年のテキストを中古で買うのはアリ?▼
うーん、おすすめしません。特に2024年より前の版は、シラバスVer.6.3で追加された生成AI・DX関連の132語がまるごと載っていない可能性が高いです。ITパスポートのテキストは高くても2,200円くらい。数百円の節約より、最新版の安心を取りましょう。
Q「シラバス6.4対応」のテキストで、6.5の試験に挑んで大丈夫?▼
大丈夫です。6.4→6.5の変更は「下請法→中小受託取引適正化法」の1項目だけなので、そこだけ頭の片隅に置いておけばOK。この記事で紹介した2026年度版テキストなら、どれを選んでも問題ありません。
Q紙のテキストとアプリ、どっちがいい?▼
これは「どっちか」じゃなくて役割分担です。体系的なインプットは紙(またはKindle)のテキスト、通勤などのスキマ時間のアウトプットはアプリや過去問道場。この併用が王道です。
基本情報とどっちを受けるか迷っている人はこちら


まとめ:迷ったらこの1冊
最後に、この記事の結論をぎゅっと絞ってお届けします。
- 迷ったら:みんなが欲しかった!ITパスポートの教科書&問題集
- 活字が苦手なら:キタミ式イラストIT塾
- 時間がないなら:スッキリわかる ITパスポート
テキストはあくまで道具です。どれを選んでも、「最後まで読み切って、過去問道場を2〜3周する」という王道をやり切れば、合格ラインにはちゃんと届きます。
そして繰り返しになりますが、試験は2027年1月以降にいったん休止される予定です(2026年内は受験可能)。あなたが「これなら読み切れそう」と思える1冊を選んで、早めに試験日を押さえて、今日から始めちゃいましょう。応援しています!
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