科目Bの問題を開いた瞬間、記号と矢印の羅列に目が滑って閉じたくなる——「擬似言語が読めない」は、基本情報で挫折する人の合言葉です。
でも安心してください。擬似言語が読めないのは、才能でもセンスでもなく「前提が3つ抜けているだけ」です。前提さえ作れば、あの記号の羅列は「日本語で書かれた手順書」に見えてきます。
こんにちは、現役ITエンジニアのごんちゃんです(基本情報技術者 合格)。プログラム未経験のメンバーを何人も育ててきた経験から、「読めない→読める」の壁を越える最短ルートを4ステップで解説します。
【受験予定の方へ・重要】基本情報技術者試験は、試験システムの入れ替えのため2027年1月以降に一時休止される予定です。受験できるのは概ね2026年内まで(会場により時期は前後します)。擬似言語の壁は2〜3週間で越えられるので、年内受験はまだ十分間に合います。詳しくは試験休止まとめへ。
そもそも擬似言語とは:「日本語で書かれたプログラム」
擬似言語は、実在するプログラミング言語ではありません。「処理の手順」を試験用の統一ルールで書いたもので、いわば料理のレシピを記号混じりで書いたようなものです。「Pythonを勉強しないと」と焦る必要はなく、覚えるのは試験の記法ルールだけ。ここを誤解して遠回りする人が本当に多いです。
読めない原因は3つだけ
→ x ← 3 と書かれても「xって何?」となる。概念の問題
→ ←(代入)、if・while・forの構文を「推測」で読んでいる。暗記の問題
→ 変数の値を紙に書き出さず、目で追って迷子になる。手順の問題
育成の現場で見てきた実感では、「読めない」と言う人の9割はこの3つのどれか(または全部)です。逆に言えば、3つを順に潰せば読めるようになります。以下、その手順です。
読めるようになる4ステップ
STEP1:「変数=名前つきの箱」のイメージを作る(1日)
変数は「値を入れておく名前つきの箱」です。x ← 3 は「xという箱に3を入れる」、その後の x ← x + 1 は「xの箱の中身(3)に1を足して、箱に入れ直す(4になる)」。「=」ではなく「箱への出し入れ」と捉えるのが最初の関門です。ここは自作の例で十分、半日〜1日で腑に落ちます。
STEP2:記法(記号のルール)を先に暗記する(2〜3日)
擬似言語の記法(代入の「←」、条件分岐、繰り返しの書き方など)は、IPAが仕様として公開しています。多くの人は「問題を解きながら覚えよう」としますが、これが迷子の元。英文を読む前に単語を覚えるのと同じで、記法は先に暗記してしまうほうが結局速いです。テキストの記法一覧ページを2〜3日で頭に入れましょう。
STEP3:トレース——1行ずつ変数の値を書き出す(1〜2週間の主役)
ここが本丸です。トレースとは、プログラムを1行ずつ実行したつもりで、変数の値の変化を表に書き出すこと。「x=3 → ループ1回目でx=4 → 2回目でx=5…」と、面倒でも全部手で書きます。
頭の中だけで追える人は、現役エンジニアでも多くありません。私たちも複雑な処理は書いて(またはデバッガで)追います。「書かずに読める」を目指すのではなく、「速く書ける」を目指すのが正解です。トレースの具体的な頭の動きは科目Bが難しすぎる人への記事で詳しく解説しています。
STEP4:易しい問題から反復する(継続)
いきなり本試験レベルのサンプル問題に挑むと、前提ができていても心が折れます。テキストの例題→易しめの練習問題→公開サンプル問題の順で、1日1〜2問をトレース付きで。演習場所の一覧は科目Bの練習サイトまとめにあります。
未経験の後輩に教えるとき、私は「読もうとするな、実行しろ」と言います。擬似言語は文章ではなく動くもの。自分がコンピュータになって1行ずつ動かせば、意味は後からついてきます。
やってはいけない勉強法
- 解説を読んで「わかった気」になる:読めた気と解けるは別物。必ず自分の手でトレースする
- 本物のプログラミング言語の入門書から始める:遠回りです。試験の擬似言語の記法だけでOK(興味が湧いたら合格後にどうぞ)
- 科目Aが完璧になってから科目Bへ:擬似言語は慣れに時間がかかるので、科目Aと並行して早めに触れ始めるのが安全
「読めない」と3週間悩むより、「書いて追う」を3週間やった人が受かります。地味ですが、これが最短です。
よくある質問
Qプログラミング経験ゼロでも本当に読めるようになりますか?▼
なります。擬似言語は試験用に整理された記法で、実務のプログラミングよりずっと範囲が狭い。実際、プログラム未経験から科目Bを突破する人は毎回たくさんいます。必要なのは経験ではなく、トレースの反復です。
QPythonやJavaを先に勉強したほうがいいですか?▼
試験対策としては不要です。実際の言語は環境構築や文法の細部など、試験に出ない学習コストが大きい。擬似言語の記法とトレースに集中するほうが圧倒的に早く仕上がります。
Qどのくらいで読めるようになりますか?▼
1日1時間ペースで2〜3週間が目安です(個人差あり)。「読める」の基準は、易しい問題を自力でトレースして正解できること。そこから本試験レベルへの積み上げが始まります。
Q本番でもトレースを書く時間はありますか?▼
会場で貸与されるメモ用具でトレースできます。練習を積むと「全部書く」から「怪しい所だけ書く」に自然と省力化されていくので、練習時は遠慮なく全部書いてください。
まとめ
まとめ
- 読めない原因は「変数の概念・記法の暗記・トレース」の3つの前提不足。才能ではない
- 4ステップ:変数=箱(1日)→記法を先に暗記(2〜3日)→トレース練習(1〜2週間)→易問から反復
- 「読もうとするな、実行しろ」。書いて追った人から読めるようになります
