「プログラミング不要の入門資格」と紹介している記事を見ると、受けてみたくなりますよね。
結論からいうと、AI-900は2026年6月30日で廃止され、後継はAI-901です。ただし番号が変わっただけではなく、AI-901ではPythonのコーディング構文とプログラミング手法の知識が前提になりました。
この記事では、公式に書かれている変更点と、非エンジニアがどうすればいいかを紹介します。
私も更新前の情報のままだと思っていました。公式を開いて気づきました。
まず事実:公式に何と書かれているか
AI-900の試験ページを開くと、いちばん上に警告のボックスが出ます。そこにこう書かれています。
「認定要件が変更されました。AI-900 試験は 2026 年 6 月 30 日に廃止され、AI-901 に置き換えられました。この認定を取得するには、候補者が AI-901 に合格する必要があります。」
認定資格そのもの(Microsoft認定:Azure AI の基礎)は残っています。なくなったのは試験のほうで、いま同じ認定を取るにはAI-901に合格する必要がある、という形です。
ここで一つ、検索する側にとって厄介なことがあります。AI-900のページは検索結果に出てこない設定になっています。そのため「AI-900」で調べると、廃止前に書かれた解説記事のほうが上に並びます。更新されていない情報だけが読める状態になっています。
何が変わったのか、並べて比べます
「番号が変わっただけ」ではありません。公式に書かれている前提知識の記述が、正反対に近い形で変わっています。
| 項目 | AI-900(2026年6月30日 廃止) | AI-901(現行) |
|---|---|---|
| 前提知識 | データサイエンスとソフトウェアエンジニアリングの経験は必要なしと明記 | Pythonのコーディング構文とプログラミング手法の知識が必要/Azureリソースに精通していること |
| 想定する人 | 技術的・非技術的の両方 | AIソリューション開発のキャリアの始まり |
| その他に求められる理解 | クラウドの基本概念、クライアント・サーバーを知っていると有利(必須ではない) | REST API、SDK、CLIの理解 |
| 出題の内訳 | 5つの分野が15〜25%ずつ ワークロード/機械学習/コンピュータービジョン/自然言語処理/生成AI | AIの概念と機能を特定する40〜45% Microsoft Foundryを使用して実装する55〜60% |
| 合格スコア | 700 | 700(変わらず) |
| 日本語 | 対応 | 対応(13言語に日本語あり) |
表の1行目だけ見てもらえれば十分です。「経験は必要ありません」から「Pythonの知識が必要です」へ。入門資格として紹介されていた理由が、そのまま消えています。
いちばん大きいのは、出題の内訳の変化です
前提知識の記述より、実はこちらのほうが実態を表していると思います。
旧AI-900は5つの分野が均等に15〜25%でした。AIにはどんな種類があるか、機械学習とは何か、画像や言葉をどう扱うかなど、全部が「説明できるか」を問う構成です。
いまのAI-901は2分野だけです。「AIの概念と機能を特定する」が40〜45%、「Microsoft Foundryを使用してAIソリューションを実装する」が55〜60%。過半が実装する側に振られました。
ここからは私の見方です。「説明できるか」と「作れるか」は、勉強の質がまるで違います。前者は読めば進みますが、後者は手を動かした時間しか力になりません。
実務の感覚でも同じです。サービスの名前と役割を覚えるのは、通勤中でもできます。ですが実際に動かすとなると、権限の設定でつまずき、思ったとおりに動かない理由を探す時間が要ります。その時間を確保できるかどうかが、この試験の分かれ目になります。
では、非エンジニアはどうすればいいのか
結論から書くと、AI-901は非エンジニアが最初に受ける試験ではありません。Pythonの知識とAzureへの慣れが前提として書かれている以上、そこは素直に受け取るべきだと思います。
ただ、悲観する話でもありません。「誰でも受けられて、プログラミングが出ない」AI資格は、日本の試験のほうにいくつも残っています。生成AIパスポート、G検定、AI活用アドバイザー、生成AIアドバイザー、DS検定。どれも受験資格に制限がありません。
むしろ、日本の職場で「AIの資格を取りました」と言ったときの通りやすさでいえば、特定のクラウド事業者の資格より、国内の試験のほうが説明が要りません。Azureを使う仕事に就いてから考えても、順番として遅くはないと思います。
候補になる試験を受験資格とプログラミングの有無で仕分けたものはAI資格の一覧まとめに、プログラミングが要る資格と要らない資格がどこで割れるかはAIの勉強にプログラミングは要る?にまとめています。
注意点:申し込む前に確かめにくい点が2つあります
AI-900を「プログラミング抜きでAIを一通り知る」ために受けるつもりだったなら、その目的は国内の試験で果たせます。いちばん近い位置にあるのは生成AIパスポートです。
よくある質問
QAI-900はもう受けられないのですか?▼
公式ページに、AI-900試験は2026年6月30日に廃止され、AI-901に置き換えられたと書かれています。認定資格そのもの(Microsoft認定:Azure AI の基礎)は残っていますが、いまこの認定を取るにはAI-901に合格する必要があると明記されています。
QAI-900の勉強をしていました。そのまま続けて大丈夫ですか?▼
出題の内訳が変わっているので、そのままでは足りません。旧AI-900は5つの分野が15〜25%ずつでしたが、AI-901は「AIの概念と機能を特定する」が40〜45%、「Microsoft Foundryを使用してAIソリューションを実装する」が55〜60%です。概念の勉強は無駄になりませんが、過半を占める実装の側が新しく必要になります。
QプログラミングができなくてもAI-901は受けられますか?▼
受験資格としての制限は書かれていないので、申し込むことはできます。ただし公式には、Pythonのコーディング構文とプログラミング手法に関する知識も必要で、Azureリソースに精通している必要があると明記されています。旧AI-900には「データサイエンスとソフトウェアエンジニアリングの経験は必要ありません」と書かれていたので、ここは方針が変わったと読むのが自然です。
Q日本語で受験できますか?▼
できます。AI-901の試験ページには日本語を含む13の言語が並んでいます。ただし英語版が2026年4月15日に更新され、各国語版はそこから約8週間後に順次更新されると書かれているので、時期によっては内容の反映にずれがある可能性があります。
Qなぜ「AI-900は入門資格」と書いた記事がまだ多いのですか?▼
廃止前に書かれた記事がそのまま残っているためです。加えて、AI-900の公式ページは検索結果に出てこない設定になっているので、検索したときに上に並ぶのは古い解説記事のほうになります。クラウド系の資格は改訂が速いので、受ける前に公式ページを直接開いて確かめるのが確実です。
