簿記のテキストは決めた。次は電卓——ですが、ここで意外な落とし穴があります。簿記の試験は、どんな電卓でも持ち込めるわけではありません。関数電卓は使えず、スマホの電卓ももちろん不可。当日「その電卓は使えません」と言われるのが最悪のパターンです。
こんにちは、現役ITエンジニアのごんちゃんです。先にお断りすると、私は簿記の合格者ではありません。この記事は、商工会議所の公式ルールと各機種の仕様・受験者の口コミを、資格勉強の道具選びの視点で中立に分析したものです。品質保証(QA)の仕事柄、「ルールの確認」と「道具選びで失敗しない段取り」はいわば職業病。その視点でお手伝いします。
電卓は試験が終わっても使う”相棒”。ルールに合う1台を最初に選んでおきましょう。
結論:選ぶ条件は「四則演算中心のシンプルな電卓」「禁止機能(印刷・音・プログラム・辞書)がない」「12桁表示」の3つ。定番はカシオのJS-20WKAかシャープのEL-N942X。予算を抑えるならJS-20WKAと同等の学校用モデルND-26Sという選択肢もあります。
試験で使える電卓のルール(公式)
まず大前提のルールから。日商簿記では、計算器具はそろばんか電卓のどちらか1つを使用でき、電卓は計算機能(四則演算)のみのものに限られます。次の機能が付いた電卓は使用できません(出典:商工会議所の検定試験公式サイト)。
- 印刷(出力)機能
- メロディー(音の出る)機能
- プログラム機能(関数電卓などの多機能な電卓、売価計算・原価計算等の公式の記憶機能がある電卓)
- 辞書機能(文字入力を含む)
一方、日数計算・時間計算・換算・税計算・検算(音の出ないもの)の機能は使用が認められています。つまり「事務用・実務用のシンプルな電卓」なら問題なく、「多機能な関数電卓」はNGという整理です。理系の学生さんが授業で使う関数電卓は使えないので、注意してください。
選び方の3基準
①12桁表示を選ぶ
安い電卓に多い8桁表示だと、桁の大きい計算で表示しきれない不安が残ります。12桁あれば3級はもちろん、2級・実務まで買い替えなしで使えます。電卓は長く使う道具なので、最初から12桁が結局お得です。
②キーの打ちやすさとサイズ
簿記の試験は電卓を何百回も叩きます。小さすぎる電卓は打ち間違いのもと。手のひらに収まるサイズより一回り大きい「実務電卓」クラスが、キーピッチに余裕があって打ちやすいです。受験者の口コミでも、定番機が支持される理由はほぼ「打ちやすさ」です。
③禁止機能がないこと
前述のとおり、関数電卓・音の出る電卓はNG。この記事で紹介する3機種のような「実務用・学校用の電卓」を選べば、この心配はありません。
おすすめの3機種
①カシオ JS-20WKA(実務電卓の定番)
| 基本情報 | カシオの実務電卓・12桁。簿記受験生の定番として名前が挙がる代表格。 |
いいところ:打鍵感とキーの品質が高く、長時間の演習でも疲れにくい定番機。検算機能(音の出ないタイプ)付きで、簿記の「同じ計算をもう一度確かめる」場面と相性が良い。2級・1級・実務まで長く使えます。
うーんなところ:電卓としては高めの価格帯(数千円クラス)。「3級に受かるだけでいい」人にはオーバースペックに感じられるかもしれません。
エンジニア視点のひとこと:道具は「一番長く触るものにお金をかける」が鉄則。キーボードにこだわるエンジニアと同じ理屈で、毎日数百回叩く電卓の打ちやすさは勉強の快適さに直結します。
こんな人におすすめ:2級以降や実務まで見据えて、最初から良い1台を選びたい人。
②シャープ EL-N942X(シャープ派の実務電卓)
| 基本情報 | シャープの実務電卓・12桁。学校用電卓EL-G37とほぼ同機能の市販モデル。 |
いいところ:簿記学習向けとして定評のある学校用電卓EL-G37と機能がほぼ同じで、市販ルートで買いやすい。税込・税抜キーが付いているので、実務や日常でも便利です。
うーんなところ:カシオとシャープではキー配列や操作方法(クリアキーの挙動など)が異なります。すでにカシオの操作に慣れている人が乗り換えると、打ち間違いの原因に。メーカーは最初に決めたら統一が原則です。
エンジニア視点のひとこと:キー配列の違いは、パソコンのキーボード配列が変わるのと同じで、体で覚えた操作がリセットされます。性能差より「どちらの操作系で体を慣らすか」で選ぶのが正解です。
こんな人におすすめ:シャープの操作系が好みの人。税計算キーを日常や仕事でも使いたい人。
③カシオ ND-26S(JS-20WKA同等の学校用モデル)
| 基本情報 | カシオの学校用電卓・12桁。実務電卓JS-20WKAの同等機種とされるモデル。 |
いいところ:JS-20WKAと同等クラスの機能・打ちやすさを、より抑えた価格で狙えるのが魅力。簿記学習用として設計された学校用モデルなので、試験ルールの心配もありません。
うーんなところ:学校向けの流通が中心で、店頭ではあまり見かけません。実物を触って確かめてから買いたい人には不向きで、実質ネット通販での購入になります。
エンジニア視点のひとこと:「同等スペックの型番違い」はIT機器でもよくあるコスパの狙い目。ただし価格は時期で逆転することもあるので、購入時点でJS-20WKAとの実売価格を見比べてから決めるのが賢いです。
こんな人におすすめ:定番機の品質を、できるだけ予算を抑えて手に入れたい人。
本音を言うと、3機種のどれを選んでも失敗はしません。迷う時間がもったいないので、直感で1台決めて勉強を始めましょう。
やってはいけない電卓選び
- 関数電卓を使い回す:プログラム機能付きは試験で使用禁止。学生時代の関数電卓は使えません
- 8桁の激安電卓で済ませる:桁数の不安に加え、キーが小さく打ち間違いしやすい。演習効率が落ちます
- 直前に新しい電卓へ買い替える:操作の慣れがリセットされます。買うなら勉強開始のタイミングで
よくある質問
Qスマホの電卓アプリは使えますか?▼
使えません。試験中はスマホ自体が使用できないため、電卓(またはそろばん)を持参する必要があります。ネット試験(パソコンで受ける方式)でも自分の電卓を持ち込んで使います。
Q関数電卓しか持っていないのですが?▼
関数電卓はプログラム機能付きの多機能電卓にあたるため、試験では使用できません。シンプルな実務用電卓を1台用意してください。この記事の3機種ならどれも問題ありません。
Q何桁の電卓が必要ですか?▼
12桁をおすすめします。3級の問題だけなら少ない桁数でも解けなくはありませんが、桁あふれの不安なく使え、2級以降や実務でもそのまま使えるのは12桁です。
Q左手で打てるようにするべきですか?▼
3級では必須ではありません。右手でペン、左手で電卓が打てると時間短縮になるのは事実ですが、慣れない操作でミスが増えては本末転倒。まずは利き手で正確に打つことを優先してください。
まとめ
簿記の電卓は「四則演算中心・禁止機能なし・12桁」が条件。
定番のカシオJS-20WKA、シャープEL-N942X、学校用同等機のND-26Sから選べば失敗しません。
電卓が決まったら、テキストと合わせて勉強スタートです。
