範囲表を開いても、項目が並びすぎて逆に分からなくなりますよね。
結論からいうと、G検定の出題範囲は技術分野と法律・倫理分野の2つに分かれています。技術分野は人工知能の定義からディープラーニングの応用例まで、法律・倫理分野は個人情報保護法やAIガバナンスなどです。性格がまったく違うので、同じ勉強法で進めると片方でつまずきます。
この記事では、公表されている範囲の中身と、どこから手をつけるかを紹介します。
範囲は広いですが、2つに分けて見ると量の感覚がつかめます。
範囲は2つに分かれています
日本ディープラーニング協会は、シラバスとして出題範囲を公開しています。まず大きな分け方から確認します。
| 分野 | 中身 | 性格 |
|---|---|---|
| 技術分野 | 人工知能の定義/手法/ディープラーニング/社会実装/数理・統計 | 用語と仕組みを覚える |
| 法律・倫理分野 | AIに関する法律と契約/AI倫理・AIガバナンス | 読み物として通せる |
この2つは、必要な勉強のしかたが違います。技術分野は用語と仕組みを結びつけて覚える作業です。一方で法律・倫理分野は、仕事の経験があるほど入ってきやすい領域で、読み物として通せます。
技術分野に出るもの
公表されている大項目は次のとおりです。
- 人工知能とは:人工知能の定義/人工知能分野で議論される問題
- 人工知能をめぐる動向:探索・推論/知識表現とエキスパートシステム/機械学習/ディープラーニング
- 機械学習の概要:教師あり学習/教師なし学習/強化学習/モデルの選択・評価
- ディープラーニングの概要:ニューラルネットワーク/活性化関数/誤差関数/正則化/誤差逆伝播法/最適化手法
- ディープラーニングの要素技術:全結合層・畳み込み層・正規化層・プーリング層・スキップ結合・回帰結合層・Attention・オートエンコーダ・データ拡張
- ディープラーニングの応用例:画像認識/自然言語処理/音声処理/深層強化学習/データ生成/転移学習・ファインチューニング/マルチモーダル/モデルの解釈性/モデルの軽量化
- AIの社会実装に向けて:AIプロジェクトの進め方/データの収集・加工・分析・学習
- AIに必要な数理・統計知識
出典:日本ディープラーニング協会「G検定」シラバス(2026年9月時点)
並べると多く見えますが、問われるのは名前と役割の結びつきです。たとえば「Attention」なら、それが何をする仕組みかを選べれば足ります。自分で実装できる必要はありません。
私は普段、QAエンジニアとして働きながら業務にAIを入れる仕事をしています。その立場から見ると、後半の「応用例」と「社会実装」は実務にそのまま近い範囲です。転移学習やモデルの軽量化は、費用や速度の話として現場に出てきます。
法律・倫理分野に出るもの
もうひとつの柱です。こちらは項目数が少ないぶん、1つずつが具体的です。
| 区分 | 公表されている項目 |
|---|---|
| AIに関する法律と契約 | 個人情報保護法/著作権法/特許法/不正競争防止法/独占禁止法/AI開発委託契約/AIサービス提供契約 |
| AI倫理・AIガバナンス | 国内外のガイドライン/プライバシー/公平性/安全性とセキュリティ/悪用/透明性/民主主義/環境保護/労働政策/AIガバナンス |
ここは実務でそのまま使う知識です。業務にAIを入れるとき、止まるのはたいてい技術ではありません。この情報を入れていいのか、出てきたものを社外に出していいのか。法律と社内ルールの話で議論が終わります。
だから法律・倫理分野は、試験のためだけの暗記になりません。範囲の後半にあるからといって軽く扱うと、いちばん役に立つところを取りこぼします。
どこから手をつけるか
範囲が広いので、順番を決めないと終わりません。
- 1週目:法律・倫理分野を先に読む(量が少なく、読み物として進む)
- 2週目以降:技術分野を前から浅く通す(分からない用語は印を付けて飛ばす)
- 仕上げ:印を付けた用語だけを埋めて、時間を計って解く
法律・倫理を先にする理由は2つあります。ひとつは量が少なく、達成感が早く来ること。もうひとつは、技術分野を読むときに「この技術は何が問題になるのか」という視点が先に入るので、応用例が頭に残りやすくなることです。
注意点として、1冊を完璧にしてから次へ進む型はこの試験と相性が悪いです。出題数が145問程度と多いので、浅く広く何周かするほうが得点につながります。範囲が終わらないときの立て直し方はG検定の範囲が広すぎる?に書きました。
シラバスは改訂されます。現行版はG2024#6から適用されているものなので、教材を買う前に対応している版を確認してください。選び方はG検定のテキスト・問題集はどれ?にまとめています。
よくある質問
QG検定の出題範囲はどこで確認できますか?▼
日本ディープラーニング協会の公式ページにシラバスとして公開されています。技術分野と法律・倫理分野の2つに分かれていて、それぞれ大項目と中項目まで示されています。現行のシラバスはG2024#6から適用されている版です。
Q数学は出ますか?▼
技術分野に「AIに必要な数理・統計知識」という項目があります。ただし多肢選択式の知識問題なので、計算を解かせる形ではありません。考え方や用語を押さえる形になります。
Q法律・倫理はどこまで出ますか?▼
公表されている範囲では、個人情報保護法・著作権法・特許法・不正競争防止法・独占禁止法と、AI開発委託契約やAIサービス提供契約が挙げられています。倫理側は国内外のガイドライン、プライバシー、公平性、安全性とセキュリティ、透明性、AIガバナンスなどです。
Q範囲が広すぎて終わりません。どうすればいいですか?▼
1問あたり40秒ほどしかない試験なので、深く理解するより広く浅く回すほうが向いています。分からない用語で止まらず、印を付けて先に進めてください。進め方はG検定は独学で受かる?にまとめています。
まとめ
- 出題範囲は技術分野と法律・倫理分野の2本立てです
- 技術分野は人工知能の定義からディープラーニングの応用例まで8つの大項目に分かれます
- 法律・倫理分野は5つの法律と、AIガバナンスなどの倫理が対象です
- 性格が違うので、同じ勉強法で進めると片方でつまずきます
試験の仕様はG検定とは?へ。進め方はG検定は独学で受かる?、教材はG検定のテキスト・問題集はどれ?にまとめました。
